海外人材の誘致から管理へ 政府が永住許可の審査基準を引き上げ 政策の重心が転換

2026/08/05 更新: 2026/08/05

政府は4日、「永住許可に関する審査ガイドライン」の改定案を公表した。世帯収入、日本語能力、日本の制度に対する理解度を、永住資格の重要な審査基準として初めて明確に位置づける内容となっている。

在日外国人が増加を続けるなか、政府の政策上の重心は、海外人材の誘致を重視する段階から、定住する外国人住民の質の向上と社会統合を重視する段階へ移りつつあるとの見方も出ている。

経済要件を大幅に引き上げ

出入国在留管理庁が公表した改定案では、永住資格(米国のグリーンカードに相当)の申請に求められる経済的能力の要件が大幅に引き上げられた。申請者の世帯年収が、日本の平均世帯所得の水準以上を継続的に満たすことを求める内容だ。将来受給が見込まれる年金額も評価対象に加えられ、原則として30年間納付した場合に得られる水準に達していることが求められる。

このほか、申請者の日本語によるコミュニケーション能力、および日本社会の制度や法令に対する理解の程度も、初めて明確に考慮対象とされた。

政府はパブリックコメントなどの手続きを通じて改定作業を進めており、「収入審査」に関する規定については今年4月以降の申請案件から、その他の規定については来年4月から適用する方針だ。

今回の改定が対象とするのは永住資格の申請審査基準であり、すでに永住資格を取得した者の在留カード更新手続きではない。現行制度では、永住者は7年ごとに在留カードを更新するが、これは証明書の切り替えにあたる手続きであり、永住資格の再審査を受ける必要はない。

「人材誘致」から「外国人の管理」へ

今回の基準引き上げの背景には、近年の外国人人口の急増に伴う政策上の重心の変化がある。2018年前後、日本が直面していたのは労働力不足であり、中心的な課題は「いかに多くの外国人を呼び込むか」であった。2025年から2026年にかけて日本が直面しているのは外国人の急増であり、複数の日本メディアや移民政策研究者は、中心的な課題が「いかに外国人を管理するか」へ移行しつつあるとみている。

日本最大の企業団体である日本経済団体連合会(経団連)は昨年末、外国人政策が「転換期」にあるとし、発想を転換して必要とする人材の対象を明確に定め、「戦略的な受け入れ」を進める必要があるとの見解を示した。経団連は同時に、一部の外国人による違法行為や規則違反が国民の一部に不安や公平性への疑念を生んでおり、外国人政策に対する社会の関心が高まっていると指摘した。

日本の学界における近年の移民政策研究も、同様の傾向を示している。早稲田大学教授で移民政策研究者の樋口直人氏の研究は、日本の移民政策が2010年代後半から明確な変化を見せていると指摘する。労働力不足に対応して外国人労働者の受け入れを拡大した一方、外国人住民の増加に伴って移民をめぐる議題が政治化し、政府と与党における外国人政策の議論も、外国人労働者の誘致から、公共秩序、社会の統治、外国人住民の長期的な統合を重視する方向へ移ってきたとしている。

在日中国人への影響

今回の改定はすべての申請資格者に適用されるが、中国籍住民は日本最大の外国人集団であり、永住資格申請の主要な出身層でもある。

日本政府の統計によれば、在日中国人は約93万人で、外国籍住民のなかで最多である。このうち永住資格を持つ者は約35万8千人で、在日中国人全体の4割近くを占め、日本で最大規模の外国籍永住者集団となっている。

現行制度では、すでに永住資格を取得した者は原則として7年ごとに在留カードを更新するのみであり、この更新は証明書の切り替え手続きであって永住資格の再申請ではないため、今回の改定基準は適用されない。今後も中国人が永住資格申請の主要な層であり続けるとみられ、新規定の影響は将来の申請案件により多く表れるとの見方が示されている。

日本政府は、「永住許可に関する審査ガイドライン」の改定について、「秩序ある共生社会」を構築する外国人政策の一環であるとし、海外人材の誘致を続けると同時に、より整備された外国人住民の管理制度を確立し、外国人の日本社会への統合を促進することが目的だと説明している。

一連の政策調整が中国人申請者に与える影響は最も大きくなるとみられ、日本の外国人政策が「人材誘致」から「移民管理」へ移行する過程を観察する窓口になるとも指摘されている。

趙彬
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