台湾のネットメディアによると、台湾が長年かけて自主開発した中距離巡航ミサイル「雲峰」の量産を開始した。アナリストによると、雲峰の飛行距離は2000キロで、台湾南部の高雄から北京を納める距離だ。
台湾のオンラインメディア「上報」は8月4日、台湾の国営軍事技術開発を担当する国家中山科学研究院(NCSIST)を取材した。同所は8月1日にミサイル開発部門「ケイ(※敬の下に手)天計画室」を設置し、90年代から開発を続けてきた雲峰の量産計画を本格化させる。開発費は80億台湾ドル(約270億円)と推計される。
米誌「ナショナル・インタレスト」の軍事編集員デビッド・アックス(David Axe)氏は8日、この台湾の中距離ミサイルは、中国内陸部まで達する能力を備え、台湾攻撃を実行する中国の多くの基地施設にとって脅威となるとした。
ワシントン拠点のシンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)による、2018年6月に更新されたミサイル防衛に関する報告によると、「雲峰」は地対地、マッハ4の超音速巡航ミサイルで、「中国の北部から中部の目標を対象に設計された、戦略的資産の1つ」と説明している。
雲峰ミサイルの開発は、馬英九総統時代には完成していた。しかし、米国オバマ政権時代の部品輸出規制や両岸関係の緩和で、大量生産計画を台湾政府が承認しなかった。
2018年10月の「上報」の報道によると、昨今の米台湾関係が深まり、長年にわたり米国が台湾に控えてきた主要武器のコンポーネントの輸出が緩和された。このため、雲峰や雄風2Eなど中距離ミサイルを含む兵器の部品や技術が入手可能となった。
(翻訳編集・佐渡道世)
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