中国メディアはこのほど、国内の即席麺販売の拡大に注目している。世界金融大手クレディ・スイスの中国人エコノミストは、即席麺の販売増加は中国消費者の購買意欲の低下を意味するとの見方を示した。
中国メディア「新京報」など複数のメディアは9月以来、世界ラーメン協会や市場調査会社「里斯諮訊」の統計を引用し、2018年、中国の即席麺の販売量は世界1位の402億食超で、今年はさらに増える見通しだと伝えた。中国の即席麺販売は、2011年までの18年の間、急成長した。2013年にピークの462億2000万食に達したが、外食産業の好調を受けて、2014年から減少に転じ、2016年に385億食まで減ったという。中国メディアは、即席麺の販売回復は同業界の「起死回生だ」と喩えた。
国内一部の専門家は、この現象の背景にあるのは、米中貿易戦による景気後退で消費者の節約志向が強まり、安い即席麺への支出が増えたためだと指摘した。
中国共産党機関紙・人民日報などは近年、高級即席麺の市場シェアが増加したためだと主張し、「購入意欲が後退したのではなく、逆に消費意欲が高まった」とした。
中国当局の主張に対して、クレディ・スイス・プライベート・バンキング大中華圏担当副会長、陶冬氏は9月26日、「中国チーフ・エコノミスト・フォーラム(CCEF)」ウェブサイトに寄稿した。同氏は、現在、即席麺や安価な漬物「榨菜」(ザーサイ)の売上拡大に対して、個人消費の動向を測る自動車や高級ブランド品の販売低迷が「深刻だ」との見方を示した。「つまり購入意欲の低下を反映した」と反論した。
陶氏は「近年、一部産業では失業者が増加、住宅ローンで若者の可処分所得が減少」などで、「国民、特に若者の節約志向が鮮明になった」と強調した。同氏によると、インフレの影響で中国の中間層の購買力も低下している。
陶冬氏は、中国の個人消費低迷はしばらく続くと推測した。
(翻訳編集・張哲)
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