中国 天気を見る、写真を撮る 当たり前の操作まで一苦労

閉じても次が出る 中国スマホ「広告だらけ」に利用者うんざり

2026/08/12 更新: 2026/08/12

中国のSNSには、スマホの広告に振り回される利用者の動画があふれている。

「なんでこんなに面倒なの?」「閉じてもまた出てくる!」「勝手にアプリまでダウンロードされた!」

口をそろえて聞こえてくるのは、そんな怒りと悲鳴だ。

天気を見たいだけ。写真を撮りたいだけ。それなのに広告を一つ閉じれば、また次の広告。ようやく消したと思ったら、今度は別のアプリがダウンロードされる。

そんな中国スマホの「広告地獄」を実演する動画が、SNSには次々と上がっている。

例えば、低価格帯から高性能モデルまで幅広く展開し、日本でもスマホを販売する中国大手のシャオミ(小米)。その「Redmi Turbo 4」を使う男性は最初から入っている天気アプリを開き、「天気予報」をタップした。

すると「不要データがたまっています」といった表示が出た。

「削除」を押すと、なぜか配車アプリ「DiDi」の広告へ飛ばされた。

「スキップ」を押す。

今度は「本当に終了しますか?」

「今すぐ終了」を押す。

すると、また広告。

閉じると「このページを離れますか?」

「離れる」を押す。

それでも終わらない。今度は、頼んでもいないニュースアプリまで勝手にダウンロードされる始末だ。

男性は「早くこの広告のループから抜け出したい」「もうこんなページから離れたい」と、何度も「終了」や「離れる」をタップした。

しかし広告はなかなか消えず、最後にはスマホそのものが固まり、画面を押しても反応しなくなった。男性によると、わずかな時間に3つのアプリが勝手にインストールされたという。

しかも、こうした「広告地獄」に困っているのは、この男性だけではない。

8月2日には安徽省の世界遺産・黄山で、高齢者が伝統行事「魚灯」のショーを撮影しようとスマホを構えたところ、約30秒間に20回ほど広告が表示される様子がSNSで話題になった。

目の前では、せっかくのショーが続いている。ところがスマホの画面に出てくるのは広告ばかり。高齢者は小さく分かりにくい「閉じる」ボタンを探して悪戦苦闘し、あげくには誤って複数のアプリまでダウンロードしてしまった。

結局、シャッターを一度も押せないまま、記念写真は一枚も撮れなかった。

ネットも怒りとあきれの声でいっぱいだ。

「見ているだけでスマホを投げたくなる」「これが結局iPhoneを使い続ける理由」。

「うっとうしい」で済めばまだいい。心配されているのは、スマホに不慣れな高齢者が広告に誘導され、知らないうちにアプリを入れたり、ネット融資や保険などを申し込んでしまったりすることだ。

広告そのものが悪いわけではない。問題は、利用者が「見たくない」と思っても簡単には抜け出せず、本来やりたかった操作まで邪魔されてしまうことにある。

天気を見る。写真を撮る。数秒で済むはずのことが、広告との格闘になってしまう。

便利にするためのスマホなのに、使う人が「もう勘弁して」と言いたくなる。

「欲しいのは新しいアプリではない。ただ、広告を閉じさせてほしいだけ」

そんな切実ともいえる不満が、中国のSNSで噴き出している。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
関連特集: 中国