中国 存在しない彼女が「使って快適」 AI広告が突きつけた新たな問題

AIが「使ってみた」を語る時代 中国のカラコン広告が物議

2026/08/11 更新: 2026/08/11

「私のカラコンは一日つけても快適」

中国で、AIで作られた女性キャラクターがカラコンを実際に使ったかのように宣伝し、物議を醸している。

問題になったのは、人気AI短編ドラマ『被裁掉的女孩(邦訳:リストラされた少女)』のヒロイン「方桃子(ファン・タオズ)」の広告だ。同作はネットで累計2億6000万回再生されるヒット作となっている。

その人気は、早くも大きな「稼ぐ力」に変わっている。方桃子は登場からわずか1か月でフォロワー40万人を突破。60秒の広告価格は日本円にして600万円を超え、100万人以上のフォロワーを持つ一部の実在インフルエンサーを上回るという。

ところが、ここに大きな問題があった。

どれほど人気があっても、方桃子はあくまでAIが生み出した架空の人物である。当然、カラコンをつけることも、そのつけ心地を感じることもできない。

それにもかかわらず、広告では「私のカラコンは一日つけても快適」と、まるで自分で商品を使ったかのように語っていた。

中国メディアの取材に応じた弁護士によると、そもそもカラコンは中国では医療機器に分類されており、法律上、広告で著名人などに商品を推薦・保証させることは禁止されている。

そのうえ今回のケースでは、実際には商品を使うことのできないAIが「使って快適だった」などと、あたかも自ら使用したかのように語っている。弁護士は、こうした表現は中国の広告法が禁じる「虚偽広告」に当たる可能性があると指摘した。

問題の広告が公開されると、ネット上では「AIに使用感が分かるはずがない」などと批判が広がり、動画は8月6日に削除された。

AIが人間に代わって商品を売る時代は、すでに始まっている。

だが、AIに「使ってみた」「おいしかった」「効果があった」と、存在しない体験まで語らせていいのか。

今回の騒動は、AIが広告塔になる時代の新たな問題を浮き彫りにしている。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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