中国国家統計局は15日、9月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比3%上昇したと公表した。2013年以来最大の上昇幅となった。アフリカ豚コレラの影響で、豚肉の価格が急騰したことが主因だ。また、国家統計局が発表した9月の生産者物価指数(PPI)は同1.2%低下し、3年ぶりの大きな下げ幅となった。
9月のCPIは、8月と比べて0.2%拡大した。9月の豚肉価格は前年同月比69%上昇したため、CPI全体を1.65%押し上げた。8月の豚肉価格の上昇幅は47%だった。また、9月の食品価格は同11.2%上昇した。8月と比べて1.2%拡大した。
豚肉価格によるCPIへの影響が大きいため、中国経済学者の何軍樵氏は「中国当局にとって米国産豚肉の輸入は急務であろう」と述べた。同氏は、豚肉の消費量が急増する年末年始や中国の旧正月に、価格上昇の圧力が一段と強まるとした。
中国商務省は3回に分けて、中央政府が備蓄している3万トンの冷凍豚肉を市場に供給すると発表したが、効果は現れていない。
また、何軍樵氏は9月のPPI指数の不振が工業セクターの収益低迷に反映し、今後、企業の債務返済がより困難になり、融資コストがさらに拡大すると指摘した。「米中貿易戦がPPI指数の低下の主因だ。米側の関税引き上げに対応して、中国企業は価格を下げている。だから、企業の収益が大きく減った。上場企業の第3四半期決算報告はこの現状を示している」
同氏は中国当局が企業への支援策として、利下げや市中銀行の預金準備率(RRR)の引き下げを実施する可能性があるとの認識を示した。しかし、金融緩和策が景気回復につながるかは不透明だという。市場への資金供給は、CPI指数が大幅に上昇した今、インフレ圧力をさらに強めるとの逆効果がある。
(翻訳編集・張哲)
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