中国北東部・黒竜江省にあるロシア国境の街、綏芬河(スイフェンヘー)市では、中共肺炎(COVID-19、新型コロナウイルス)の患者が1カ月前から増加している。内部資料によると、増加した感染者に対応するため、臨時病院を増設するなど4530床で治療しているという。
中国の公表資料によると、黒龍江省では4月9日時点で、「中国外からの輸入感染の確定症例」は、綏芬河市でロシアからの151例を含む計155例が確認された。これは同省の感染者の97%を占める。綏芬河市の人口は21万人。同省の人口は3100万人。
最近、ロシアでも中共肺炎が確認され、ロシアにいた多くの中国人は帰国を急いだ。3月21日~4月9日までの間、合計2497人が綏芬河港に入り、4月7日以降、同港は閉鎖された。
大紀元が入手した黒竜江省政府の文書によると、地元当局は無症状感染者の監視と管理を強化している。黒龍江省医療委員会が4月8日に発行した「新型コロナウイルス肺炎の確認例と通知、無症状感染者に関する通知」によると、市当局は「3つの地域で今後、計4530床の施設を確保し、帰国感染者を治療する」という。
綏芬河市には2つの大型病院があり、それぞれ300床と600床の病床がある。隣接する牡丹江市にも2つの病院があるが、それらを合わせても、病床は1230床程度だ。記録には、「4530床」とあるため、臨時の病床が設置されたと考えられるが、どこに設けられたか場所の詳細はない。
黒龍江省当局は、国境から入国した者に対して「集中隔離、PCR検査、抗体検査」など、すべての検査管理措置を実施している」という。
さらに、4月8日の別の通達では、地域医療に加えて「1000人規模の支援医療チームと100人規模の予備軍支援疾病管理チームを結成」している。
黒龍江省衛生委員会の対応は、ウイルス肺炎の蔓延による地域の危機的状況を伝えており、国境閉鎖前になだれ込んできた人口を強く警戒しているとみえる。
帰国感染者のほか、黒龍江省の政府文書では早くも2月から、中国当局は「無症状感染症」に対して大きな警戒感を示している。
同省疫病予防管理司令部は2月23日付けの通知で、省内の全地方当局に対して、無症状感染者の報告と管理を強化することを求めた。以後、各地方政府は無症状の感染者の報告が義務付けられている。
記録によると、少なくとも3月27日までに、黒龍江省には無症状の感染者が162人いる。しかし、中国中央政府は、無症状感染者を「感染者」としてカウントせず、「感染源となる可能性がある」とぼかした表現で記載しているだけだ。
中国政府寄りの専門家たちは、無症状であれば問題はないと宣伝している。例えば、1月28日、国家医療専門家グループのメンバーで、北京大学病院感染症治療研究センター主任・李星光氏は、国家医療委員会の記者会見で、無症状の感染者は「感染力はそれほど強くないだろう」と述べた。中南山氏、張文紅氏ら専門家も「害は少ない」と語っている。
中国共産党政権による、無症状感染者を確定症例としてカウントしないという独自調査は、国際的な規範に違反している。 大多数の国は、無症状の感染症を含むすべてのPCR陽性症例をカウントするよう、WHOの通知に従っている。
海外からの批判を受けて、中国共産党は4月1日、無症状感染者に関するデータを公表した。また6日には、新コロナウイルス無症候性感染者に関する記録を公表し、「無症状感染者は感染力がある」と認識を改めた。
(何堅/翻訳編集・佐渡道世)
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