中国当局はセルフメディアに対する取り締まりを強めている。この1カ月ですでに10万を超えるアカウントが削除された。
国家インターネット情報弁公室は、過去1カ月間で338のライブ配信プラットフォームや7万4千のライブ配信サービスを閉鎖し、さらには10万5千の配信者アカウントを削除した。
今回の削除は、中国共産党(以下、中共)の最近の「ネット浄化」によるもので、対象となったのは、商業的なオンラインプラットフォーム、セルフメディア、ソーシャルメディアなど。同弁公室は、8月末にこれについて特別会議を開いた。
同会議の参加者の一人は、ウィーチャットのモーメンツで「セルフメディアにとって本当に厳しい時代になってきた。たとえ公式メディアのニュースシェアであってもダメだ。突発事件の報告、ネガティブな不動産情報の公開、不動産の価格推移すら規制によりできなくなる。とにかく何も投稿できない」とその厳しさを話した。
同時に、中共は言論統制を強めており、中国のネット上における「敏感ワード」は増え続けている。一部のネットユーザーは「一文のうち半分の単語が敏感ワードで投稿もできない」と嘆いた。また「中共はビビっている」と皮肉ったユーザーもいた。
ニューヨーク・タイムズ紙は9月7日、あるカナダ人女性の体験を紹介した。女性は2020年1月、中国でウィーチャット上に米ラジオ・フリー・アジア(RFA)の記事をシェアした。記事の内容は、中国とカナダの外交関係および米国の政府運営などに関するものだった。記事は中国当局の検閲に引っ掛かり削除されたほか、女性は警察署に連行され、拷問器具を取り付けられ尋問を受け、自白を強要されたという。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、今回の「ネット浄化」で多くのウェイボーアカウントやウィーチャットアカウント、ニュースや時事問題などについて記事を発表するほとんどすべてのセルフメディアアカウントが削除されたと報じた。
「南方都市報」や「新京報」の創設者でかつ初代編集長を務めた程益中氏は、中国政府はメディアへの統制を緩めたことは一度もなかったとし、中国のセルフメディアには希望も未来もないとの見解を示した。
また、今回削除された10万5千の配信者アカウントのうち、1万3600のアカウントはいわゆる「モクバン(食べる放送)」出演者のアカウントだった。
中国当局が8月に「光盤行動」(食べ残しをなくす運動)のスローガンを発表した後、中共の公式メディアとCCTVは、大食いする様子を配信する動画配信者を批判し、大食い動画がアップされると、動画の削除やアカウント閉鎖などの措置が取られると伝えた。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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