中国の著名な元弁護士である唐吉田さんは2日、留学先の日本で結核を患い意識不明の重体になっている娘に会うため出国を試みたが、中国当局によって阻まれた。中国の人権問題を取り扱う「維権網」が同日報じた。
報道によると、2日午前8時半ごろ、唐さんは同省福州長楽国際空港で搭乗の手続きを行っていたところ、複数の警察により別室に連れていかれた。そして中国の出入国管理法に基づき、出国は許可できないと告げられた。
唐さんは自身のSNSで娘の状況について綴っている。肺結核を患った娘は日本の病院に入院しており、意識不明の重体だ。さらに脳浮腫を発症して、人工呼吸器によって生命を維持している。
5月30日、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、唐さんは「娘の容体は非常に悪く、意識不明の状態が20日以上続いている。一刻も早く娘に会いたい」と話していた。
唐さんは人権弁護士として、長年にわたり弱者の権利を守るために活動してきた。中国共産党当局によって残酷に迫害されている法輪功学習者の弁護も引き受けてきた。
2014年3月下旬、唐さんなど4人の人権弁護士は行方不明となった法輪功学習者を探すため、黒竜江省に設置された中国共産党の洗脳施設を訪れた。しかし唐さん一行は拘束され、激しい拷問を受けた。唐さんは肋骨10本と歯を折る大けがを負い、同行していた弁護士も骨折や打撲のケガを負った。
中国当局は、人権派として活動してきた唐さんの弁護士資格を剥奪し、出国禁止処分を下した。
(王文亮)
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