台湾がG7サミット初の支援を歓迎「善を促進する力になる」

2021/06/30 更新: 2021/06/30

主要民主主義諸国によるG7サミットの共同声明に初めて台湾海峡の平和と安定が明記されたことを受け、中国が自国領土と主張する台湾の総統府は「善を促進する力」になると発表し、国際社会により大きな支持を求めていく考えを示した。

2021年6月中旬に開催されたG7サミット後に公表された声明には、新疆ウイグル自治区人権に関する中国批判、香港における高度な自治の維持の要求、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する内容が盛り込まれた。

台湾(中華民国)総統府の張惇涵(Xavier Chang)報道官は、G7サミット共同声明で台湾海峡の平和と安定の重要性が強調されたのはこれが初事例であり、「台湾に友好的」な内容が盛り込まれたのもG7という政治フォーラムが組織されて以来初めてだと述べた。

張報道官は台湾とG7諸国が民主主義、自由、人権といった基本的価値観を共有しているとして、支援に深い感謝の意を表した。

同報道官はまた、「台湾は責任ある地域の一員としてその役割を確実に果たすと共に、民主主義制度を断固として守り、共通の普遍的価値を保護する」と言明している。

さらに同報道官は、台湾は今後もG7諸国や志を同じくする他諸国との提携関係を深め、国際社会からより大きな支持を得ることを目指す考えを示しながら、インド太平洋地域の平和、安定、繁栄に向けて「最大の努力を払って善を促進する力を提供する」と述べている。

ここ数ヵ月の間、中国は主権を主張する台湾島付近で定期的な軍事演習を実施するなど台湾に対する圧力を強めている。 G7諸国を含め大部分の世界諸国は台湾と正式な外交関係を持ってはいないが、G7諸国や他の西側諸国からの台湾支持は強まっている。

この傾向を裏付ける1つの事例として、新型コロナウイルス感染症パンデミック発生初期に諸国が世界保健機関(WHO)世界保健総会への台湾の参加許可を訴えたことが挙げられる。台湾は世界保健機関の加盟国ではない。これは、自国領土である台湾は国家としての存在を主張する権利のない地域と見なす中国が加盟に反対しているためである。 

(Indo-Pacific Defence Forum)

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