ロシアの新型ステルス戦闘機がモスクワ近郊で開催されている航空展示会「MAKS-2021」で公開された。「チェックメイト」と名付けられたこの新しい機体は、ロシア第5世代の戦闘機として数々の新しい設計を取り入れている。ロシアのプーチン大統領も会場を訪れ、新型機を視察した。「MAKS-2021」はロシア最大の国際航空宇宙展示会であり、7月20日から25日まで開催される。
ステルス戦闘機「チェックメイト」は、ロシアの国営コングロマリット・ロテック(Rostec)社傘下の「統一航空機製造会社(United Aircraft Corporation)」によって開発された。統一航空機製造会社は2006年、プーチン大統領により、スホーイやミグ、イリューシンなどのロシアの主要な航空機メーカーを統合して作られた国策企業である。
仏RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の報道によると、統一航空機製造会社の責任者であるユーリー・スリューサー氏は記者団に対し、新機体「チェックメイト」は人工知能を含む「革新的なソリューション」を組み込んだ第5世代の軽量単発戦闘機と説明した。試験飛行は2023年を予定しており、量産は2026年から始まるという。無人化した自動操縦型も開発中とのことだ。
ロシア軍は現在、第4世代戦闘機のスーホイSu-27とミコヤンMiG-29を運用している。現在開発中の第5世代戦闘機Su-57を含む、ロシア連邦軍で運用されている戦闘機はすべて双発機であり、単発・単座の戦闘機は今回が初となる。
「チェックメイト」は運用コストを抑えた設計となっており、現在多くの国で採用されている米国製戦闘機F-35の対抗馬とみなされている。
ロシアメディア「RIAノーボスチ」の報道によると、ロステックのCEOセルゲイ・チェメゾフ(Sergei Chemezov)氏は、「チェックメイト」の価格は2500万ドルから3000万ドルになると語った。この価格は高価な欧米諸国製戦闘機と一線を画するものであり、資金力に乏しい中東や南米諸国の需要を満たすことができるとの見方がある。
展示会に出席したプーチン大統領は、「ロシアの航空開発の大きな可能性を秘めている。私たちの航空機産業は競争力のある新しい機体を作り続けている」と述べた。
ロシア国内の調達数は300機程度と見込まれている。
(王文亮)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。