岸信夫防衛相はこのほど、豪紙シドニー・モーニング・ヘラルド(Sydney Morning Herald)のインタビューで、米中両国のパワーバランスの変化が「非常に顕著になった」と述べ、台湾をめぐる軍事衝突は「中国の優勢に大きく傾いている」との見方を示した。
同紙が12日に掲載したインタビュー記事で、岸氏は「日本の防衛政策は特定の国を対象にしたものではない」と強調した。しかし、同氏は、軍拡を進める中国当局を念頭に、「日本を取り巻く安全保障環境がさらに厳しくなっていることを考えると、自分の身は自分で守る体制を構築しなければならない」と述べた。
防衛相は、「中国当局は武力と強迫を通して、一方的に現状を変えようとしている。同時に、それを既成事実化しようとしている」とした。同氏は、日本の国会は、安全保障上の必要性から憲法改正を決めなければならないとし、「これらの課題に対応するために、自国の防衛力を強化する必要がある」と話した。
同氏は、日本政府は南シナ海と、日本との間で領土問題を抱える東シナ海における中国側の動きに注視していると明らかにした。また、中国側と台湾の軍事的格差が「年々」拡大していると指摘した。「台湾の防衛の安定は日本の安全保障だけでなく、世界の安定にとっても非常に重要だ」と強調した。
シドニー・モーニング・ヘラルド紙によれば、岸氏は以前、住友商事株式会社の上級幹部としてメルボルンに住んでいたことがある。
岸防衛相はインタビューのなかで、中国当局の巨大経済圏構想「一帯一路」の影響に対抗するために、オーストラリア政府が東南アジアと太平洋地域でリーダー的な役割を果たすことを期待すると述べた。また、「自由で開かれたインド太平洋」ビジョンを推進するために、オーストラリアがリーダシップを発揮するよう望むと話した。
オーストラリアは、国家安全保障問題、人権問題、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の起源をめぐって中国当局と対立を深めており、両政府の閣僚は18カ月以上接触していないという。
(翻訳編集・張哲)
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