中国で海外の有名建築物の模倣行為が横行し、注目を集めている。
ロンドンの街並みを再現した上海郊外のテムズタウン、ロンドンのタワーブリッジにそっくりな江蘇省の橋、エッフェル塔もどきがそびえ立つ「偽パリ」の浙江省杭州市の天都城、安徽省に造られた実物大のスフィンクス、モスクワ・クレムリンの大聖堂によく似た北京市門頭溝区の区庁舎、米議会議事堂に酷似した安徽省阜陽市潁泉区の区役所など、現在、中国各地には模倣建築による海賊版の世界都市や名所が乱立している。
エーゲ海の小島「サントリーニ島」を模倣したスポットは中国国内に少なくとも43カ所あるという。
セルフメディア「半熟財経」によると、真っ白な壁とブルードームが印象的なエーゲ海に浮かぶ憧れの小島「サントリーニ島」を模倣したスポットは、中国の22省や地区に建てられている。海の景色、厳かな青い屋根の教会、白いアーチ型の門、地中海風の屋根瓦や窓などがあり、ブルーとホワイトのペイントを使って、ホンモノとそっくりに造られている。
ほかには、オリジナルコピー版の「小京都」が102カ所、「小鎌倉」が68カ所、「小奈良」が40カ所存在するほか、「小スイス」が52カ所、「小モロッコ」が27カ所もあるという。
偽「海外スポット」は本家の特徴をよく捉えている。芝とシカは「小奈良」に欠かせない組み合わせだ。山と草原があれば全て「小スイス」となり、信号機と鉄道レールを設置すれば江ノ電が名物の「小鎌倉」に変身する。時々「海外在住」と偽るインフルエンサーが訪れ、動画を撮影している。
「偽スポットは歴史ある観光名所のように持続的発展に関心がない。大規模な商業プロジェクトのように様々なリスクを考慮する必要もない」と半熟財経は指摘した。
「客が喜んでお金を払ってくれれば、何でも模倣する」という。
しかし、トラブルに直面する偽スポットも多いという。
京都の風景を再現した中国最大級となる日本をテーマにした複合商業施設「盛唐・小京都」(遼寧省大連市)は、ネット上で「日本文化による侵略だ」「かつて日本に植民された大連は国の恥を忘れるな」などの批判が上がった。そのため、地元政府の指示により、今月から一時的に営業停止となった。
(翻訳編集・李凌)
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