世界的なコンテナ不足などでコンテナ運賃が高止まりし、各国の輸送コストを押し上げている。特に中国—米国間の上昇が顕著である。8月以降、中国から米国へのコンテナ運賃は中共ウイルス(新型コロナ)発生前の10倍に急騰し、過去最高を記録した。
9月17日時点で、運賃の変化動向を示す中国の輸出コンテナ運賃指数(CCFI)は今年初めから90.34%上昇した。
データによると、中国から米国への40フィートコンテナの海運運賃は、通常期は1000~2000米ドル(1米ドル=約112円)となる。8月以降は2万米ドルを上回るなど10倍に上昇し、過去最高を記録した。
天津悦信物流の関係者が中国経済誌「財経」に寄せた情報では、2019年に天津からロサンゼルスまでの40フィートコンテナの海運運賃は1600~1700米ドルで、現在は1万5000米ドルに上った。
運賃急騰の要因の一つは、コンテナの供給不足だという。
米経済の回復により、輸送需要は高い水準にあるが、米側の港湾では深刻な人手不足で積み荷降ろしに遅れが生じ、コンテナの滞留が深刻だ。
前出の中国物流会社関係者の話では、米国の港で荷降ろしは数週間待ちも珍しくない。多くの海運会社は、コンテナ船の停泊コスト節約で空のコンテナを待たずに帰還するため、中国国内のコンテナがさらに減少した。
中国当局が中共ウイルス感染拡大を防止するために実施した「都市完全封鎖」「港完全封鎖」で、国内の工場では貨物をコンテナに積載したまま長期間にわたって出荷できない状況が起きている。
米国のシニア中国投資戦略専門家で、民間投資顧問のマイク・サン氏は大紀元の取材で次の見解を示した。
「一時期、中国からインドやベトナムにシフトした米企業の発注は、東南アジアでの新型コロナウイルス感染拡大により、中国に戻りつつある。このことも中国での物流の滞留に拍車をかけている。コンテナ製造会社が生産能力を拡大しているが、短期では改善できない」
9月から冬にかけて、クリスマス商戦のため荷動きがもっと活発になる。経済専門家は、コンテナ船運賃の上昇、港湾での輸送障害などによりコスト増加型のインフレが生じ、場合によっては金利上昇などを招くと指摘する。
(翻訳編集・叶子)
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