米海軍第七艦隊広報担当は17日、米海軍ミサイル駆逐艦「デューイ」と、カナダ海軍フリゲート艦「ウィニペグ」が協働して、14日と15日に台湾海峡を通過したと発表した。 この動きは、「自由で開かれたインド太平洋地域に対する米国とカナダの関与を示すもの。この協力関係は安全で繁栄した地域を構築する」と強調した。
中国官製メディア・環球時報によると、米軍艦が台湾海峡を渡るのは今年に入ってから10回目だが、外国軍艦とともに通過するのは近年来で初めて。
ロイター通信は、米艦船がほぼ毎月台湾海峡を通過することに北京は激怒していると伝えた。英空母クイーン・エリザベスのアジア派遣以降、英軍艦、仏情報収集船を含め、米同盟国や友好国の台湾海峡の通過が増加している。
台湾海峡について、日本は、台湾に対する中国の軍事的な圧力には批判的な姿勢であるものの、対話による緊張緩和を期待するとの立場だ。松野博一官房長官は18日午前の会見で、米国とカナダの軍艦による台湾海峡通過について、「平和と安定のために当事者間の直接対話に期待する」と述べ、情勢を注視するとした。
台湾海峡の緊張はますます高まっている。10月に入り、中国軍は戦闘機など150機あまりを台湾南西部の防空識別圏(ADIZ)周辺に往来させた。 台湾国防部は17日にも、J-16戦闘機2機と対潜哨戒機1機の計3機の中国機が、台湾のADIZに侵入したと発表した。
中国軍機の行き交う地域は台湾海峡ではなく、香港南西部の東沙諸島周辺が多い。中国側は、南部地域で軍事演習を行なっていると説明している。ADIZは、安全保障と防空のために指定された空域であり、起こりうる航空脅威に対応するため、実際の領空域よりも広く設定されている。
中国軍の現代化に詳しい豪州戦略政策研究所(ASPI)の上級アナリスト、マルコム・デイビス氏(Malcom Davis)は10月6日、2024年末の台湾総統選挙後、中国が台湾を武力攻撃する可能性は急上昇すると警告した。オーストラリアのスカイニュースに出演した同氏は、人民解放軍建軍100周年にあたる2027年、緊張状態は特にエスカレートすると付け加えた。
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