中国広東省在住の劉飛龍さん(30代)男性は当局のネット封鎖を突破してツイッターなどに投稿したため、2019年に懲役1年、執行猶予1年6カ月の有罪判決を言い渡された。劉さんはその後、オランダに亡命し、現在難民キャンプに留まっている。劉さんはこのたび、大紀元の取材を受け、今の心境を語った。
劉さんは中国の大勢の若者と同様、共産党の洗脳教育を受けながら育った。2007年ごろネット封鎖を突破できてから、「新しい世界への扉が開いた」と希望を抱くようになった。政府の多くの宣伝はフェイクだと初めて知ったという。
「『共産党についての九つの論評』という本を読んだ後、共産党の残虐な本性とその血まみれの歴史にショックを受け、迷わず以前加入した共産党関連組織から離脱すると表明した」
2011年、劉さんは「インターネット上の中国ジャスミン革命」を呼びかける別のユーザーの投稿を転載した。翌日、警察は勤務先に押しかけ、「ネット封鎖を突破しない。政府が禁止する情報を拡散しない」という誓約書を書かせ、劉さんのノートパソコンにあった「禁止情報」を削除したり、不法とされるソフトをアンインストールしたりしたという。
2014年、地元の深刻な環境汚染に抗議するデモの写真を投稿した後、派出所に呼びされ、反省文を書かされたという。
2017年、「一切都是刚刚开始(すべては始まったばかり)」という文字がプリントされたTシャツをネットで購入したことで、地元公安当局に呼び出された。この言葉は、米国に亡命した中国人富豪・郭文貴(カク ブンキ)氏が中共最高指導部の腐敗を暴露する際によく使っていた。
2018年夏ごろ、共産党宣伝画などに墨汁をかける抗議行動が各地で起き、逮捕者が相次いだ。劉さんはツイッターで抗議行動の支持、逮捕者への声援を呼びかけた。
劉さんは、看守所に20数日間拘留された後、有罪判決を受けた。判決書は「2016年から、党、政府、指導者を誹謗中傷する虚偽の情報8千件あまりをツイッターに投稿・転載し、公共秩序を著しく混乱させた」とした。
劉さんによると、看守所で採血などの検査を受けた。「臓器移植のドナーにされるのではないか」と心配したという。中国の刑務所は若い服役囚の血液を採集しているとたびたび報告されている。臓器移植のための検査だと懸念する声が浮上している。
2021年、劉さんは第三国経由でオランダに入国、現在、難民キャンプに留まっている。
「中国の厳しいネット監視の下で、正義の声を上げるのは、リスクと代償を払うことぐらい分かっている。 しかし、中国共産党の圧政に対して、沈黙することはできない」
(記者・ジャン リンダ、翻訳編集・叶子)
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