18日、中国とロシアの海軍艦艇10隻が津軽海峡を通過し、太平洋へ向けて航行した。防衛省によると、中露両国の艦艇が同時に津軽海峡を通過するのを確認したのは初めて。ロシア国防省は同日夜、前日まで日本海で行われていた合同訓練の様子を公開した。映像からは射撃訓練の様子も確認された。
中露艦隊の通過は初=防衛省
防衛省によると、10月18日午前8時頃、海上自衛隊は北海道奥尻島の南西約110キロメートルの海域で中露の艦隊を発見した。
中露艦艇の内訳は以下の通り。
中国海軍:
レンハイ級ミサイル駆逐艦1隻
ルーヤンⅢ級ミサイル駆逐艦1隻
ジャンカイⅡ級フリゲート2隻
フチ級補給艦1隻
ロシア海軍:
ウダロイⅠ級駆逐艦2隻
ステレグシチー級フリゲート2隻
マルシャル・ネデリン級ミサイル観測支援艦1隻
防衛省によると、今回確認された中国艦艇は今月11日に対馬の南西海域で確認されたものと同一だという。
中露艦隊の通過時、海上自衛隊の「P-3C」対潜哨戒機と掃海艇の「いずしま」及び「あおしま」が情報収集と警戒監視を行った。
中露の艦艇はその後、太平洋へと航行した。
日本海で行われた中露間最大規模の海軍演習
中露の艦隊が津軽海峡を通過した同日の夜、ロシアの国防省は日本海で直前に行われた合同軍事演習の動画を公開した。動画には射撃訓練をする様子などが見られた。
「海上聯合2021」と題された中露間の合同海軍演習は、10月14日から17日にかけて、ウラジオストク付近の海域で行われた。中露の駆逐艦や潜水艦など計15隻の艦艇が参加し、水雷の除去や標的への射撃など、20回以上の戦闘訓練を実施したという。そのほかにもロシア空軍のスーホイ30戦闘機を動員して対空戦闘訓練が行われた。
中国海軍の情報によると、今回の演習では北部戦区の海軍将校が中国側の最高指揮官を務めた。
中露両国の海軍が行う合同演習は2012年以降、毎年行われている。なお、2020年には新型コロナウイルス感染症のため中止された。
(王文亮)
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