中国のネット検閲当局は「卵チャーハン」(中国語:蛋炒飯)という言葉が入っている投稿への取締りを強化しており、このほど国有企業のSNSアカウントを一時閉鎖した。当局は、ネットユーザーが「卵チャーハン」と元最高指導者の毛沢東の息子、毛岸英に結びつけることに神経をとがらせている。
中国国有通信企業、中国聯通(チャイナ・ユニコム)の傘下子会社、江蘇聯通のSNS微博(ウェイボー)のアカウントは一時ブロックされた。同アカウントは23日と24日、生姜入り卵チャーハンの作り方、必要な材料を掲載したことで、愛国主義者らに攻撃された。
愛国主義者らはこの投稿について、「毛岸英氏を侮辱した。投稿者を逮捕せよ」と当局に求めた。その後、江蘇聯通はこの2件の投稿を削除した。ネット検閲当局は、「コミュニティポリシーに違反した」として同アカウントを一時ブロックした。24日は毛岸英の誕生日である。
同社の担当者は26日、中国メディア「澎湃新聞」に対して、警察当局が調査を行っていると明かした。同報道によると、当局は現在、同社の投稿に「問題はない」との見方を示している。
毛岸英は戦争中、現在の北朝鮮の北部地域で米空軍による爆撃で戦死した。中国市民の間では、毛岸英は当時、かまどに火を起こし卵チャーハンを作った際、煙が立ち上がり、米空軍に位置を特定されて攻撃を受け、死亡したとの説が広がっている。
中国当局は3月1日、刑法の罪名を改正し、「英雄烈士の名誉・栄誉侵害罪」を新たに追加し、ネット上で取り締まりを強化した。すでに市民4人はネット上の投稿が「英雄烈士を侮辱している」として拘束された。
今月7日、中国人ジャーナリストの羅昌平氏は、朝鮮戦争をテーマにした反米映画『長津湖』について疑問を呈し、微博にコメントを掲載したことで逮捕された。
同日、江西省南昌市警察当局は、市内に住むネットユーザー「左右的佑佑」を拘束した。同氏はネット上で「寒戦(朝鮮戦争)で得た最大の成果は卵チャーハンだ。卵チャーハンに感謝!卵チャーハンがなければ、私たちは曹県(北朝鮮)と変わらない。もちろん、今もそれほど大差はない。本当に悲しいことだ」と書き込んだ。
いっぽう、江蘇聯通の微博アカウントは現在、ブロックを解除されている。投稿は24日で止まっている。
(翻訳編集・張哲)
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