ロシアのマイクロエレクトロニクス企業「シトロニクス社(Sitronics)」はこのほど、中国大手通信機器メーカーのファーウェイ(華為技術、HUAWEI)と共同で製造したサーバーをロシアの政府調達リストに加えるための申請を出した。ロシアの専門家や産業界から反対の声が上がっている。
シトロニクス社は、将来的に同サーバーを年間3万台生産する予定だと発表した。同国市場シェアの約20%にあたる製造台数だ。
ロシア全国紙「コメルサント」は27日、「すべての秘密は中国(中国共産党)に公開される」という見出しで報じた。ファーウェイのユーラシア地域の責任者ダニエル・シュウ氏はメディアの取材に対して、報道は事実であると回答した。
ロシアのサーバー製造業界からは、ファーウェイと共同で製造したサーバーにセキュリティ上の問題があるほか、ロシア政府が推し進めている「国産品普及」の政策にも違反している、と懸念する声が浮上した。
シトロニクス社はコメルサント紙に対して、このサーバーをロシア製だと見なすのは、なんら問題ないと主張したが、製品に含まれる自社部品の割合の開示を拒否した。
ロシア商工会議所は、同社から申請があったことを明らかにし、サーバーを政府調達リストに追加するかは、調査を行ってから決めるとしている。
ロシアの業界専門家の間では、ファーウェイは共同生産と銘打って、自社製品を所在国の製品に扮していると批判が噴出した。
ロシア電子製品開発・製造協会の最高責任者であるイワン・ポクロフスキー氏は、このサーバーは事実上、ロシア企業の技術を含まないファーウェイ製品であるため、政府調達リストに登録すれば、「国産品普及」という国家政策に抵触すると指摘した。
ロシアのエレクトロニクス業界の幹部は、ファーウェイはシトロニクス社に、すべての部品や技術資料を供給し、シトロニクス社は組み立てるだけ、とポクロフスキー氏と同じ見解を示した。
(翻訳編集・叶静)
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