米国防総省の最新報告書によると、2027年までに中国当局が保有する核弾頭ミサイルは700発に達し、30年までには1000発になる可能性がある。
国防総省は3日、同ウェブサイトで同年次報告書『中国の軍事・安全保障上の動きについて(Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2021)』を公開した。
同省は、報告書で「中国当局の地域的かつ世界的な野望」について言及している。「中国当局が領域を超えた長距離精密合同攻撃を行う能力を開発していること、宇宙・対空間、サイバー能力をますます高度化していること、核戦力の大規模な拡大を加速させていること」などについて概説すると紹介。
報告書では特に、中国当局の核戦力について危機感を示した。「将来10年間、中国当局はその核戦力の近代化、多様化と規模拡大を目指す」とし、「中国当局は、陸・海・空の核兵器運搬プラットフォームに投資し、その数を増やして、核戦力の大幅な拡大を支えるために必要なインフラを構築していく」との見方を示した。
「中国の核開発は加速しており、2027年には最大で700発の核弾頭を保有することができ、30年までには少なくとも1000発の核弾頭を持つ見通しだ。これは、国防総省が20年に予測したペースと規模を上回るものである」
中国当局は新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発しており、「少なくとも3つの固体燃料式ICBMサイロフィールド(発射施設)を建設した。これらの施設には、合計数百のICBMサイロ(発射台)が作られた」という。
報告書は、中国当局による台湾への圧力強化や、化学兵器や生物兵器の開発についても強い懸念を示した。
国防総省は、中国当局が海外で軍事施設を拡大しようとしていると指摘した。
報告書では「中国当局が、ジブチ以外にも、陸・海・空・サイバー空間・宇宙への戦力投射(power projection)を支援するための新たな軍事施設を求めている。中国当局は、中国軍の軍事施設として、カンボジア、ミャンマー、タイ、シンガポール、インドネシア、パキスタン、スリランカ、アラブ首長国連邦、ケニア、セーシェル、タンザニア、アンゴラ、タジキスタンなどの国を検討している」と示した。
中国軍のグローバルな軍事施設は「米軍の活動を妨害し、米国への軍事攻撃を支援することができる」と報告書は警告した。
(翻訳編集・張哲)
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