中国不動産開発大手、佳兆業集団は4日、同社の保証が付く理財商品の支払いを実行できなかったと発表した。5日の香港株式市場では、同社と子会社3社の株式売買が停止した。
佳兆業集団は声明の中で「今年以来、不動産市場の厳しい環境や国際格付け会社による信用の引き下げなどの影響で、流動性が前例のない圧力に直面している」と説明した。同社と理財商品の発行企業である錦恒財富は今後、返済計画を策定するとした。
中国紙・毎日経済新聞は佳兆業集団の公開データを引用し、満期を迎えた理財商品の未払い金額は3億元(約54億円)で、理財商品の資産規模は127億元(約2257億円)と報じた。
また、中国の複数のメディアによると、佳兆業集団が理財商品の支払いを実行できなかったと知った投資家数百人は、広東省深セン市にある同社の本社に集まり、抗議を行った。
複数の投資家は中国紙・中国基金報の取材に対して、佳兆業集団の保証が付く理財商品は1口30万元(約533万円)〜50万元(約889万円)までの数種類があると話した。抗議活動に参加した投資家の中に、「5000万元(約8億8845万円)を投じた人もいる」という。「満期になった3億元の理財商品に対して支払いを実行できなかったので、私たちはこれから元本などを取り戻せるのかに本当に不安だ」と投資家は話した。
佳兆業集団の発表を受けて、4日の香港株式市場では、同社の株価は急落し、前日比15%安で取引を終えた。過去最安値を更新した。今年に入ってから、同社の株価は74%下がった。
いっぽう、5日午前、佳兆業集団は香港証券取引所で、同社と子会社3社の株式の売買を一時停止するとの声明を公開した。理由を説明しなかった。
米格付け大手S&Pは10月28日、佳兆業集団の体格付けをシングルBからトリプルCプラスに格下げしたと発表した。S&Pは、同社は来年10月に32億ドル(約3642億円)の米ドル建て社債の償還を控えており、「債務不履行を回避するために、資産処分などが必要だ」と指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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