米国防総省が3日発表した中国の軍事力に関する年次報告書は、湖北省襄陽市近くで中国軍ロケット部隊(PLARF)の爆撃機旅団が新たに増設されたと指摘した。米商用衛星の新画像では、襄陽市付近で、国防総省に示された中国軍PLARF旅団の駐屯地と同じような施設が写っている。
年次報告書『中国の軍事・安全保障上の動きについて(Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China 2021)』の59ページには、中国各地にある空軍や海軍の主要施設などの位置について記されている。
新しい商業用衛星画像と防衛情報企業のレポートを入手した米メディア「ポリティコ(Politico)」傘下企業の「国家安全デイリー(National Security Daily)」は8日、襄陽市でPLARFの施設を確認できたと伝えた。
報道によると、防衛情報企業、ジェーンズ(Jane’s)は10月25日に撮影した衛星画像を分析したところ、襄陽市から南へ4マイル(約6.4キロ)のところに、2019~21年までの間に建設された新しいミサイル部隊駐屯地が写っている。
ジェーンズ社は「事象解析」を行い、レポートをまとめた。レポートは「駐屯地は、安全が確保された周囲の環境、各種の設備を収納する倉庫、輸送起立発射機(TEL)を保管・整備するためのドライブスルー・ハイベイ式倉庫など、PLARFのミサイル駐屯地の特徴を多く有する。また、兵舎やサポート用施設も多くある」との見解を示した。
レポートの作成者は、同駐屯地には中国軍の664旅団が駐留しているとの見方を示した。同旅団は、DF-32AGと呼ばれる移動式大陸間弾道ミサイルを装備するミサイル部隊である。「以前、この旅団は(湖南省の)益陽市に駐屯していると考えられていた」という。
国家安全デイリーは、米国防総省からのコメントは得られなかったという。
(翻訳編集・張哲)
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