バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が15日夜(日本時間16日午前)に行った首脳会談の前、米中双方は相手国の市民を釈放したことがわかった。
ロイター通信などによると、4年以上中国から出国を禁止されていた中国系米国人の出国が許可された。
それと同時に、米国側も米国で有罪判決を受けた中国人7人を中国に強制送還した。米当局者はこれを「米中間の取引」ではないと主張している。
中国人らの送還は、米中関係改善のために米政府がとった「初歩的な措置」であるとロイターは指摘した。
政府の強制送還行動などに詳しい情報筋がロイターに語ったところによると、今回の送還は米中首脳会談に向けた「善意の表れ」と受け止められているため、米政府内では広く支持されているという。
一部の米当局者の間では、この明らかな取引を首脳会談と結びつければ、中国政府による米市民の出国禁止措置を助長するのではないかと懸念されているという。
中国当局が先週末に出国を許可した米国籍の男性、ダニエル・徐(Daniel Hsu)氏は「米中首脳会談」の前(15日夜)、米国の自宅に到着した。
徐氏は、中国で有罪判決を受けていないにもかかわらず、4年以上の間、出国を禁じられていた。米国は、彼が「強制的な出国禁止措置」を不法に受けている米国市民の一人であるとしている。
米国務省は昨年9月、中国への渡航の再検討を勧告した。中国政府が「外国政府との交渉を有利にする材料を得る」ために、米市民に対し恣意的な拘束や出国禁止を行っていると警告していた。
米移民・関税執行局(ICE)によると、今回中国に送り返された中国人は、詐欺や防衛施設の撮影などで有罪判決を受けた人たちや、トランプ前大統領の所有するリゾート施設「マーアーラゴ(Mar-a-Lago)」へ侵入しようとした女性らを含む、計7人だと明かした。
「中国で恣意的に拘束され、出国を禁止されている米国人は他にもいる。彼らの釈放を求め、引き続き努力していく。また、より多くの(中国人)強制送還を受け入れるように中国側にも働きかけていく」とICEは述べた。
(翻訳編集・李凌)
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