シンガポールの中国語紙・聯合早報23日付によると、中国当局は10月、豪州産石炭279万トンを輸入した。昨年に両国関係が悪化して以来、今回、中国側が豪州産石炭の通関手続きを受理し、輸入許可を下したのは1年ぶりだ。
同報道は、中国海関総署(税関当局)の統計を引用して、今回輸入された豪州産石炭の大半は、集中暖房システムに使う動力用石炭(一般炭)だと報じた。279万トンのうち77万8000トンは製鋼所などで使用するコークスである。
海関総署の情報では、前回、中国が豪州産石炭を輸入したのは昨年11月だった。豪政府が昨年10月、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の発生源に関する独立調査を求めて以降、中国当局は豪州産石炭などの輸入を禁止した。
英国に本社を置く市場調査企業の世界大手、ウッド・マッケンジー(Wood Mackenzie)が10月に公表した調査報告書によると、中国の港では豪州産コークス約500万トンと一般炭300万トンが通関手続きで待機している。
冬を迎えた中国では現在、電力需要が拡大している。在豪中国人学者の馮崇義氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対して、「中国当局は妥協して豪州産石炭を輸入した」との見方を示した。
国連商品貿易統計データベースによると、昨年、中国当局が豪州産石炭の輸入を禁止する前、豪州産石炭は中国の輸入総量の2割を占めていた。2020年、豪州は中国に向けて3500万~4000万トンの石炭を輸出した。両国の対立が激化して以降、中国当局は昨年10月から豪州産石炭の輸入を阻止し始め、インドネシアやロシアからの輸入を増やした。
金融学者の司令氏は、「中豪両国の貿易紛争は根本的に政治問題で、イデオロギー問題である。豪州に代わる石炭の供給先を見つければ、中国当局は引き続き同国に対して不公平な経済制裁措置を講じる」と指摘した。
(翻訳編集・張哲)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。