東京で25日、日本ベトナム投資カンファレンスが2年ぶりに開催され、双方は数十億米ドルに相当する44の協力協定を締結した。ベトナムのファム・ミン・チン首相らの訪日に合わせて開かれた。萩生田光一経済産業相も参加し、供給網の強靭化に向けた協力を表明した。
日本貿易振興機構(JETRO)とベトナム計画投資省が共催したこの会議では、発電所建設の投資協力協定(17億5000万米ドル)、牛肉加工・流通計画(5億米ドル)、経済特区開発計画(2億5000万米ドル)を含む多数の協定が締結された。
チン首相はベトナムの投資環境について、政治的に安定しており、熟練した労働力が揃っている魅力的なものだとアピールした。チン首相は22日から100人以上からなる企業団とともに訪日し、25日まで滞在した。
会議に出席した萩生田経産相は、両国の経済・貿易関係をより持続可能な形で強化できると述べた。ベトナム政府の発表によると、萩生田経産相は、日本がスポンサーとなっている100億米ドル規模の「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアチブ(AETI)」の立ち上げを全力で支援すると発言した。
先立って開かれた萩生田氏とチン首相との会談では、双方は環太平洋包括協定(CPTPP)の実現まで努力を継続していく考えを共有した。また、経済産業省とベトナムの工業貿易省が、新しいトレンドと日越共同声明の精神に沿って協力活動を調整することを提案した。
24日には日越首脳会談が行われ、岸田首相は就任後初となる首脳級の賓客を迎えた。日本からの艦艇など装備品の輸出に向けて協議を加速することや、サイバーセキュリティーなどの分野で防衛協力を進めることで意見を共有した。共同記者発表では、岸田首相は「ベトナムは、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を実現していく上で大切なパートナーだ」と述べた。
ベトナムは新型コロナウイルスを経た国内経済の回復を急ぐため、11月上旬には首相が英国とフランスを歴訪し、約300億ドル相当の投資や商談を取り付けた。
日本とベトナムの2020年貿易額は約400億ドルで、進出している日系企業は1980社。17年と18年に日本からの投資額は80億ドルだった。
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