米カリフォルニア州サンディエゴに住む中国系科学者の陳蓮春(Lianchun Chen,音訳)被告と、その夫である吳辰彥(Chenyan Wu,音訳)被告はそれぞれ虚偽陳述や、密輸の容疑で起訴された。連邦捜査局(FBI)のScott SzalayI特別捜査官が8日に南カリフォルニアの連邦裁判所に提出した起訴状で明らかになった。
陳被告は今年4月、サンディエゴの自宅でFBI捜査官に対し、「mRNAは自分の研究および専門分野ではない」「夫とは、自身の雇用主であるA社のいかなる機密情報・商業機密も共有していない」と自身の関与を否定した。
起訴状によると、FBIが夫の呉被告の過去5年間の電子メール記録を調べたところ、陳被告から送信された電子メールの中に、A社の「機密レベル」の文書が含まれていたことが判明した。
A社はFBIに対し、陳被告は同社でmRNAを応用したがん治療の研究に携わっていたと証言した。同被告の研究チームがA社で行った研究は、夫のTheraMab実験室で行われていた共通のmRNAワクチンの開発プロジェクトに非常に役立つという。
起訴状によると、陳被告の中国SNSウィーチャット(微信)の記録からも、彼女が夫のTheraMab実験室に関与していたことが証明された。
陳被告は自身のウィーチャットを通してある人物に対し、夫の実験室のために資金提供を呼び掛けていた。
呉被告は今年5月8日、米税関・国境警備局(CBP)の職員に虚偽の申告をしたとして起訴された。
同被告は米国入国時に、自分はいかなる病原体、細胞培養物も米国に持ち込んでいないと申告していた。
CBP職員は、同被告の受託手荷物から、研究サンプルや化学サンプル、医療・生物設備など約700~1000個の未申告物品を見つけたという。
Szalay特別捜査官は同夫婦に対する刑事告発書と逮捕状の発行を勧めた。
(翻訳編集・李凌)
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