カナダ政府は来年1月から、空き家や使用されていない住宅の外国人非居住者所有者を対象に税金を導入する予定。住宅市場に外国資本が大量に流れ込むことによって高騰する住宅価格を抑えるためだという。同国の不動産情報専門サイト「Storeys」がこのほど、報じた。
バンクーバーやトロントなどの大都市では、中国などからの資金流入により住宅価格が高騰し、現地の中間所得層の購買能力を大きく超えている。
カナダ統計局の2016年国勢調査によると、バンクーバーでは、2015年の平均世帯年収は7万2662カナダドル(約640万円)であるのに対し、同年12月の戸建て住宅の最安価格は前年比24%増の124万8600カナダドル(約1億1000万円)に達し、平均世帯年収の17倍になった。
同国の公共政策専門家であるジョシュ・ゴードン氏は、住宅価格を抑止し、働く世帯の住宅購入難を抜本的に解決するには、外国資本による住宅購入を規制する政策を打ち出す必要があると指摘した。
同国の不動産専門家は、多くの国がすでに外国に居住する購入者を対象に住宅取得税を導入しており、カナダ政府の対応が遅れているため、効果は不十分だと批判した。
香港では10年前から外国資本の住宅購入に15%の付加税を課し、イギリス、オーストラリア、デンマーク、スイス、マレーシア、シンガポール、メキシコなどの国もそれぞれ独自の付加税および購入制限措置を導入している。フィリピンなどの国は外国人による不動産の購入を禁止しているという。
いっぽう、バンクーバーが所在するブリティッシュコロンビア州は2016年、外国人が住宅を購入する際に価格の15%(18年から20%)の税金を追加徴収した。空き家や、外国で働くなど所得税を納めていない世帯を対象に、州政府が年間で不動産評価額の2%、バンクーバー市が1%の税金を課している。
ただ、自己申告制となっており、多くの空き家が「旅行中」「療養中」「リノベ中」となっており、空き家税がうまく機能していないとの指摘もある。
(翻訳編集・叶子静)
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