米クルーズ船でクラスター、48人陽性 約6000人の乗客乗員はワクチン接種済み

2021/12/21 更新: 2021/12/21

クルーズ船大手ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)によると、同社所有のクルーズ船に乗船していた48人が、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の陽性反応が認められたと発表した。同社は12歳以上の全員にワクチン接種証明書の提示を乗船条件としていることから、今回の乗船者全員はワクチン接種済みとみられる。

発表によると、6000人以上の乗客乗員を乗せた「シンフォニー・オブ・ザ・シーズ」は12月11日にフロリダ州マイアミを出発したが、航行中に1人の陽性反応を確認。その後48人の陽性反応が認められ直ちに隔離したという。また、ツアーの早い段階で陽性と判定された6人は途中で下船した。

同社広報担当者ライアン・シェラ・カロ氏によると、48人は無症状もしくは軽度の症状を発症していた。また、疾病管理予防センター(CDC)の検査で感染例のなかにはオミクロン株も含まれることがわかった。陽性者が船内で確認されたことについて、当該船以外のクルーズ船の乗客らにも通知するようCDCから要請を受けたという。

12歳以下の子供が乗船していたかどうかは不明。大紀元はRCIにコメントを求めている。

RCIの声明によると、12歳以上の乗客がクルーズに参加するためには、CDCの指針に従い、乗船14日前までに2回のワクチン接種を行ったことを示す証明書を提示する必要がある。

CDCは声明の中でクルーズ船のクラスター発生を踏まえ「RCIと協力して症例と伝播の可能性に関する詳細情報を収集している」という。また、RCIは現在の検体収集に協力してCDCは遺伝子配列を確認する。

RCIのシエラ・カロ氏は、今後のクルーズ旅行はこのクラスターの影響を受けないとしている。

ワクチン接種や船内消毒処理などの義務を経て再開したクルーズ船旅行だが、船内クラスターは先月も発生している。米ルイジアナ州保健局によると12月初め、ノルウェー・クルーズ・ラインのクルーズ船で10人以上の感染者が報告された。

ノルウェージャン・ブレイクアウェイ号は11月28日にニューオーリンズを出港し、メキシコ、ホンジュラス、ベリーズなどに寄港していた。同社によれば当時、乗船者全員に完全なワクチン接種を義務付けていた。

にもかかわらず、大型市場である中国発ツアーの再開に、クルーズ船企業は積極的な姿勢を示している。RCI系列ロイヤルカリビアン・アジアの劉淄楠代表は10月、業界紙クルーズ・インダストリー・ニュースの取材で「中国発ツアー再開のために(中国)政府に働きかけている」と話した。

劉代表によれば中国発のツアーは日本寄港がほとんどで、2022年早期に日本が国際クルーズラインの受け入れ再開することを期待しているという。現在、日本は感染症対策として国際クルーズ船寄港を許可していない。