中国黒龍江省鶴崗市は昨年12月、「財政再建(中国語:財政重整)計画」を実施していることを明らかにした。専門家は、同市は事実上財政破たんしたとの認識を示した。
鶴崗市人力資源および社会保障局は同月23日、財政再建を実施していることを理由に新規職員の採用を見送ったと発表し、波紋を広げた。市はその後、発表を削除した。
在米中国人学者の謝田氏は、「同市は債務超過に陥っており、破たんに瀕している状況を反映した」と分析した。
中国では、鶴崗市が初めて財政再建を発表した市レベルの地方政府である。
中国紙・経済観察報23日付は、鶴崗市の2020年の公共財政収入はわずか23億元(約416億円)と報じた。これに対して、同年の市の公共財政支出は約137億元(約2477億円)だった。
中国の経済政策を管轄する国家発展改革委員会は、すでに2011年に鶴崗市を「資源枯渇型都市」に指定した。
大紀元コメンテーターの王赫氏はこれについて「同市には産業構造を転換させるなどの目的があった」と示した。だが、深刻な人口流出により、鶴崗市で「新しい産業を興すのは不可能だった」と同氏は述べた。
黒龍江省で行われた国勢調査では、2020年11月1日時点、鶴崗市の人口は約89万人で、10年前と比べて約16%減少。
政治体制も原因で、鶴岡市は産業構造を転換できていないと同氏は指摘した。
「中国の地方政府は、民主主義国家の地方自治体と違い、独自に政策を決定・施行する権限がない。資金が底をついた場合、地方政府の幹部は、省レベルや中央政府に資金提供を要求するしかないので、真面目に産業振興対策を考えないだろう」
中国当局は2008年に12の中小都市(県・区レベル地方政府も含む)を、09年に32都市、11年に鶴崗市を含む25都市を「資源枯渇型都市」に認定した。
王氏は「事実上、多くの都市がすでに財政破たんし、再生する必要がある。中国当局はメンツを保つために、地方政府の破たんを公表しないし、公表することも許されない」とした。
(翻訳編集・張哲)
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