防衛省は14日14時55分ごろ、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが日本海に向けて発射されたと発表した。韓国軍によると短距離弾道ミサイルと推定される2発を発射したという。ミサイルの高度は低く、飛行距離は300~400キロだった模様。北朝鮮によるミサイル発射は5日、11日と続き今年に入ってから3回目。
韓国の聯合ニュースによると、今回の発射は北朝鮮の弾道ミサイル開発などに関与した北朝鮮国籍の6人などを制裁対象に加えた米国に対する反発の可能性がある。北朝鮮は14日付の談話で、米国を名指し「一層強力で明確な反応をせざるを得ない」と警告していた。
北朝鮮による相次ぐミサイル発射を巡り、ブリンケン米国務長官は13日、深刻な不安定化と危険をもたらすものだとの見解を示した。加えて、北朝鮮は米政府からの外交的提案に何ら応じていないとMSNBCの取材で述べた。
日本政府は、北朝鮮が今年に入り弾道ミサイルとみられる飛翔体を相次ぎ発射したことで、撃墜の難しいマッハ10に及ぶ極超音速技術の開発を「加速させている」とみて警戒を強めており、分析を急いでいる。
岸信夫防衛相は12日、北朝鮮が11日に発射したミサイルに関する分析結果を発表し、最高速度は音速の10倍にあたるマッハ10だったと説明した。高度50キロメートルを変則軌道で飛び、放物線を描いて落下せずに水平方向に向きを変えたとみられる。
国連安保理は10日に北朝鮮に関する非公開の緊急会議を開いたが、中国とロシアは従来通り対北朝鮮制裁に反対の立場を取ったため、安保理の一致した声明は出なかった。いっぽう、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は12日、ミサイル発射を続ける北朝鮮への制裁強化を国連安全保障理事会に働きかけているとロイター通信に明かした。
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