日米豪印「クアッド」外相会議、2月中に開催

2022/02/01 更新: 2022/02/01

日米豪印の4カ国からなる戦略枠組み「クアッド」の外相会談が2月中にオーストラリアのメルボルンで開催される。豪政府が31日に明らかにした。中国共産党の拡張を抑えることを念頭に、民主主義の志を共にするインド太平洋地域諸国との連携を強化する。

林芳正外相ほかブリンケン米国務長官、ジャイシャンカル印外相、ペイン豪外相がメルボルンに集う。具体的な日時は明かされていない。時事通信によれば、今春に日本でクアッドの首脳会議が開かれるのを前に、外相レベルで先端技術分野での協力を協議するという。

議論の焦点は、インド太平洋地域で増大する中国の脅威への対策と、強靭なサプライチェーンの形成等の安全保障対策になると豪紙オーストラリアンが31日に報じている。海事問題やサイバーセキュリティ、ワクチン供与、宇宙開発、ロシアや中国が発信する偽情報への対策なども議題に上がるとみられる。

ペイン外相は声明のなかで、クアッドは「インド太平洋地域に戦略的な選択肢を与えるために協力する自由民主主義国の重要なネットワーク」であるとし、「すべての国の(コロナ後の経済)回復と主権保護のための実践的なステップに焦点を当てている」と述べた。

バイデン政権高官がオーストラリアを訪問するのは初となる。ブリンケン氏は1月26日付の声明で、米国とオーストラリアがインド太平洋地域の平和と安定のための碇(いかり)であるとし、昨年結成された米英豪3カ国安全保障パートナーシップ「AUKUS(オーカス)」でも両国の同盟関係の重要性が再確認されたと指摘した。

クアッドは安倍晋三元首相によって提唱されたもので、2020年以降、4カ国は首脳会談などを定期的に開催している。中国共産党の影響力拡大を抑え、自由で開かれたルールに基づく秩序の推進を掲げる。ASEANなどとの連携強化を含め地域経済から安全保障に至る幅広い課題について協議を行っている。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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