トランプ前米大統領は22日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、中国共産党による台湾侵攻が起こりうると警告した。
ラジオ番組「The Clay Travis and Buck Sexton Show」に出演したトランプ氏は、大統領時代にプーチン大統領との会話で「ずっとウクライナを望んでいたことを知っている」と述べた。「次は中国(共産党)の番だ」と語り、台湾併合の野心をあらわにする中国の動きに注視する必要があるとした。北京冬季五輪が閉幕するタイミングについても強調した。
中国の習近平国家主席は4日、北京五輪開幕に合わせ訪中したロシアのプーチン大統領と会談した。後の発表した共同声明では「両国の友情に限界はなく、協力において『禁断領域』はない」と表明。ロシアは台湾問題についても中国のスタンスを全面的に支持すると主張した。
今秋の中国共産党大会で異例の3期目入りを目指す習近平国家主席は、昨年10月の辛亥革命110周年記念大会で「台湾統一を必ず実現する」と明言している。
台湾やアジア太平洋地域での覇権を狙う中国共産党は、積極的な軍事的近代化プログラムに取り組んできた。米国防総省が発表した2021年の報告書は、中国共産党が2027年までに最大で700発、2030年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有する可能性を示唆した。
台湾世論調査財団が15日〜16日に行った世論調査によると、62.9%が中国による台湾侵攻の可能性は「低い」と回答。いっぽう、ロシアがウクライナに侵攻した場合、台湾侵攻の可能性が「非常に高い」と答えた回答者は26.6%だった。
ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認、24日にはウクライナに対する軍事侵攻に踏み切った。首都キエフの郊外にある軍事施設が巡航ミサイルの攻撃を受けたほか、チェルノブイリ原子力発電所もロシア軍に掌握された。
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