ウクライナで激しい戦闘が続くなか、中国は南シナ海で軍事演習を実施すると発表した。いっぽう、米海軍ミサイル駆逐艦がこの演習期間中に台湾海峡を通過しており、米国によるインド太平洋地域への関与を示した。
中国海事局は25日、中国最南端に位置する海南島沖の半径6カイリの水域において、27日から3日間にわたる軍事演習を行うと発表、船舶に対し指定水域に近づかないよう警告した。
こうしたなか、米海軍第7艦隊は26日、ミサイル駆逐艦「ラルフ・ジョンソン」が台湾海峡を同日通過したと発表した。「自由で開かれたインド太平洋に対する米国の関与を示すもの」としている。
中国共産党の軍事力を背景とした威嚇と拡張政策によって台湾海峡の緊張感はますます高まっている。ロシアによるウクライナ侵攻が始まった24日にも中国共産党軍の軍用機9機が台湾の防空識別圏に侵入した。台湾メディアの報道によると、2月27日時点で中共軍機による侵入は5日間連続。
ウクライナ侵攻により、中国共産党が引き起こす台湾海峡の危機が高まったとの見方が強まっている。安倍晋三元首相は25日、国会内の会合で「台湾に対して中国がどのような対応をとるかを占う」と語った。
トランプ前米大統領も22日、ロシアの動きを受けて「次は中国(共産党)の番だ」と語り、台湾侵攻の野心をあらわにする中国の動きに注視する必要があるとの見方を示した。
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台湾は中国共産党の動きを警戒している。蔡英文総統は23日、台湾海峡の軍事動向に対して警戒と監視を強化するよう要求した。中国共産党のサイバー部隊などによる偽情報発信や「認知作戦」への対応のほか、経済と株式・為替市場の安定維持を指示した。
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