中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染者が急増する中国・上海市は27日夜、28日午前5時から市内を流れる黄浦江を境に、市を東西の2つの地域に分けて順番に都市封鎖を実施すると突如発表した。市は前日の会見で、経済活動の停滞に懸念を示し都市封鎖の実施を否定したばかりだった。
市当局の発表によると、金融街や工業団地などがある黄浦江以東の地域では28日午前5時から4日間の封鎖を実施する。続いて黄浦江以西でも4日間実施する。
都市封鎖中に、市民の外出禁止や一斉PCR検査が行われる。PCR検査を拒否し、その後感染が確認された市民には「法的責任を追及する」という。また、地下鉄やバス、タクシーなど交通機関の運行も停止される。
市当局が26日に開いた記者会見で、市防疫政策チームのメンバーで復旦大学上海医学院の呉凡副院長は、上海市で都市封鎖措置を実施しないと強調したばかりだ。呉氏は、上海市は「中国全国の経済・社会発展において重要な役割を果たしているだけでなく、世界経済にも大きな影響を与えるから」と述べていた。
ネットユーザーらは上海市の都市封鎖について、「黄浦江にこのような役割があるなんて夢にも思わなかった」「上海市はとうとう封鎖される。まるでおしどり火鍋(2色火鍋)のように」と皮肉った。
市当局などの発表によると、中共ウイルス感染拡大により、26日時点で市内の36の医療機関が封鎖された。
いっぽう、中国SNS微博(ウェイボー)では、上海市公式アカウント「浦東発布」は27日夜、浦東新区のスーパーや農産品市場などは同日深夜12時まで営業すると発表、浦東地域の市民に食料品などの買い出しを促した。28日未明、微博の検索ランキングでは「浦東超市(スーパー)」は1位となった。
市は26、27日の本土感染者(国内で感染した者)は45人、本土無症状感染者は2631人とそれぞれ新たに確認されたと公表した。市中感染者は25、26日の2日連続で2000人を超えた。
上海市長寧区に住む周燕さん(仮名)は「当局が公表した感染者はそれほど多くないのに、あちこちで臨時隔離施設を造っている。どう考えてもおかしい。本当の感染者数はもっと多いだろう」と大紀元に語った。
復旦大学付属華山医院感染科の張文宏主任は25日の会見で、市内の感染者数の増加ペースは予想を上回り、医療資源がひっ迫していると述べた。
国内の著名な伝染病専門家である張氏は、新型コロナウイルスが変異を繰り返しており、現在上海市では感染速度の速いオミクロン株亜型変異株BA.2が流行っていると強調した。
(翻訳編集・張哲)
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