米国防総省は28日、国家防衛戦略を米議会に伝達した。バイデン米政権では初となる。同省が発表した概要によると、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた後においても中国(共産党)は引き続き最大の焦点であると明確にした。
概要によれば戦略は多くの領域で高まる中国の脅威に対処する国土防衛を重視し、同盟国やパートナーに対する戦略的攻撃を抑止することを掲げた。さらに侵略を抑止しつつ、必要な場合には紛争に勝利を収める準備を行う。くわえてインド太平洋地域における中国の課題、次にヨーロッパにおけるロシアの課題を優先するとした。
戦略は中国を「最も重要な戦略的競合相手」と定め、「抑止力を維持・強化するために国防省は緊急に行動する」とした。次にロシアを「残忍でいわれのないウクライナ侵攻で示されるように深刻な脅威を与える」存在と位置付け、NATO同盟国やパートナー国と協力して抑止力を強化する。そして北朝鮮、イラン、暴力的過激派組織など、その他の根強い脅威を管理する能力を維持する。
同日には7730億ドルの2023会計年度国防予算案も公表した。オースティン国防長官によると「先端技術、サイバー、宇宙、人工知能の分野で即応性を高める必要性」から研究開発に過去最高の1301億ドルを要求した。
オースティン氏は予算について「私たちの国家防衛戦略はその焦点である中国という『迫りくる挑戦(Pacing Challenge)』を反映している」「攻撃的なロシアの脅威や北朝鮮、イラン、暴力的過激派組織による新たな脅威などに対する準備と抑止の態勢を維持する」とし、同盟国らと協力して強固な抑止網を維持すると声明で述べた。
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