ソビエトと東欧を支配していた共産主義政権の崩壊とともに、多くの人は共産主義をすでに過去の遺物とみなしている。しかし、現在でも、それはさまざまな形で具現化している。ニュージーランドの作家トレバー・ルードン氏は、反差別運動ブラック・ライブズ・マター(BLM)やフェミニズムなど、マルクス主義は変質した形で世界中に浸透していると指摘した。
ルードン氏は11日、大紀元の姉妹メディア新唐人テレビ(NTD)のインタビューに応じた。「マルクス主義は、今日の政治経済の主要な枠組みモデルだが、大半の人はそれに気づいていない。なぜなら、マルクス主義といえば1840年代の古い階級闘争のようなものと認識しているからだ」と分析した。
カール・マルクスは『共産党宣言』の中で、人類の歴史は「階級闘争の歴史」と述べている。言わば、「闘争」を維持するために、憎しみを煽る必要がある。マルクスによれば、資本主義社会では生産手段を有するブルジョアジーと労働者階級のプロレタリアートの二大階級が対立する。
「マルクス主義は今やLGBTQ運動、フェミニスト運動、環境保護運動、反差別運動などに姿を変えている」とルードン氏は指摘する。環境保護運動は環境のためではなく、産業と富を破壊し、LGBTQ運動は、伝統的な家族を破壊するためのものだと述べた。
人種差別
米国で激しい論争を呼んでいる「批判的人種理論」もその一つだ。これは人種差別の根源が、米国の法律や制度に組み込まれているという考え方である。白人を「抑圧者」、それ以外の人種を「非抑圧者」と位置づけ、闘争を煽っている。
ルードン氏は「批判的人種理論とは、マルクス主義を階級ではなく人種に適用したものに過ぎない。アメリカが本来あるべき姿、『多く(の州)から作られた一つ(の国)』と米硬貨に刻印されたモットーに反している」と語った。
BLMは2020年、白人姿のイエス・キリスト像は「白人至上主義」の表れだとし、取り壊すべきだとツイッター上に投稿。同団体の共同創設者であるパトリッセ・カラーズ氏は「訓練されたマルクス主義者」と自称していた。
フェミニズム
ルードン氏によると、近年のフェミニズム運動は人々を性別で分断し、伝統的な結婚と家族を崩壊の道へと導いている。『共産党宣言』にも「共産主義者は伝統的な道徳や価値観を転覆する」と明記されている。
フェミニズムを推進する人々は「家庭が女性を抑圧している」と掲げ、経済や教育、家族において、女性も男性と同等の扱いを受けるべきだと主張する。
「マルクス主義とは自然で伝統的な生活方式を覆すことだ」とルードン氏。「宗教や伝統的な家族の価値観、社会構造を損なうものは間違いなくマルクス主義の基盤がある」
「これらの運動はすべて、米国や伝統、家族などの弱体化を狙って設計されている。その目的は米国を共産・社会主義政権に置き換えることにある」と述べた。
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