フランスの在上海総領事館は3月31日、欧州連合(EU)の24カ国の加盟国を代表して中国上海市政府に書簡を送り、「いかなる状況でも、親子を引き離してはならない」と求めた。中共ウイルス(新型コロナ)の感染が拡大する同市では、親子を別々の隔離施設で隔離している。
仏総領事館は書簡の中でほかに「濃厚接触者は自宅で隔離する」「医療支援を迅速に提供する」「自宅に残されたペットに餌を与える」など6つの要望を提示した。
上海市は3月28日、市を東西2つのエリアに分けて順番に都市封鎖を実施した。4月1日、東部地域での都市封鎖は解除される予定だったが、感染が依然として拡大しているため、市は1日以降も続けると発表した。現在、市のほぼ全域が封鎖されている。
中国国内SNS上では1日、上海市で多くの乳幼児が親から引き離され、隔離施設に送られたと訴える写真や動画が急増した。大半の親は隔離された子どもの付き添いを許されていないという。
SNS微信(ウィーチャット)ユーザー「珍珍」はこのほど、家族全員が感染したため、自身は子どもとともに上海市の乳幼児隔離施設「金山隔離点」へ送られたと投稿した。「珍珍」によると、この施設には看護師が非常に少なく「上の階に200人の子どもがいるのに、看護師は10人しかいない」と書き込み、動画も投稿した。
投稿は大きく注目され、多くのネットユーザーは隔離施設で泣き叫ぶ子どもの様子を見て強い憤りを示した。
中国政府系メディアは「珍珍」の投稿を否定し、動画に映されている場所は「金山隔離点」ではなく、「病院内部での引っ越しを行っている上海市公共衛生臨床センター小児科の病室だ」と主張した。
「珍珍」の投稿はすでに削除された。
上海市のネットユーザーは「(封鎖措置で)食事を満足にとれるかどうかはもう考えないようにした。どうせあなたたちは食料品を提供しないだろう。でも、幼い子どもらを別の場所に隔離して、親に付き添いを許さないのは本当に狂っている」などと怒りをあらわにした。
(翻訳編集・張哲)
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