スウェーデン国会議員ら11人が台湾を初めて訪問した。10日から14日まで滞在し、蔡英文総統ら指導層と会談する。期間中は国家安全保障と防衛フォーラムが開かれるほか、スウェーデン企業の代表者との協議が行なわれる。
台湾スウェーデン国会議員協会の代表を務めるボリアナ・オーベリ国会議員とシャーリー・ウェイメシュ欧州議会議員が率いる訪台団は10日夕方に桃園国際空港に到着。蔡英文氏は11日、「台湾訪問を暖かく歓迎する。共通の価値観に基づく関係強化に向けた議論を楽しみにしている」とソーシャルメディアで応えた。
張惇涵総統府報道官によれば、総統と訪問団は直接会談が予定されていたが家族の中共ウイルス(新型コロナ)の陽性判定により自主隔離措置にあり、リモートで行うという。賴清德副総統が総統府で対面式の会談をする。
台湾外交部の7日付声明は「台湾、スウェーデン、欧州連合(EU)は世界的な課題に対応し、民主的な回復力を構築し、偽情報と戦うための同アプローチを共有する同志のパートナーだ」と記している。
2月24日のロシアによるウクライナ侵攻後、台湾は民主主義国との国際的な連帯を示すため対露制裁を講じている。軍民両用製品と技術に関する自主的な輸出管理体制「ワッセナーアレンジメント」に従い輸出制限措置を続けるほか、今月6日にも追加制裁を発表。ロシアに対して集積回路やメモリーチップなど57品目を輸出禁止とした。
スウェーデン訪問団を率いるウェイメシュ議員は今月初めのEU議会で、ロシアとの協力を続ける中国とのビジネス関係を見直し、代わりに台湾の防衛分野を含む投資の強化をするべきだと述べた。
台湾とスウェーデンに外交関係はないが、大使館に相当する外交官駐在の代表事務所をそれぞれの首都に置いている。
近年、フランスやバルト三国、米国元閣僚や現職議員など米欧要人の台湾訪問が相次いでいる。今月、ペロシ米下院議長の訪台が発表されたが無症状のコロナ陽性が確認され、日程は再調整された。
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