上海市当局は4月19日、3月以降の新型コロナウイルス(中共ウイルス)の感染者約40万人、死者17人と発表した。この数字は実態を反映していないとの指摘が出ている。
上海市衛生建設委員会のホームページによると、今年3月以降、同市で約40万人が中共ウイルスに感染し、18日に3人、19日に14人の計17人が死亡した。いずれも60〜101歳までの高齢者で、基礎疾患を持っていたという。
死亡率は10万人あたり約4人と、多くの国の死亡率よりはるかに低い。日本の場合、4月21日時点で死者数は2万9151人であり、死亡率は10万人に23人。
上海の住環境や高齢者数、ワクチン未接種者数と状況が近い香港では、感染が拡大してから死者が9000人に達したが、人口3倍の上海では約1カ月で17人に留まっている。
香港大学の疫学者ベン・カウリング氏は、米拠点のウェブメディア、ヴァイス・メディアの取材で「新型コロナウイルスの死亡率をこれほど低く抑えられる対策はどこにもない」「上海の感染状況は、政府発表より遥かに深刻であるはず」という見解を示した。
BBCは、香港大学李嘉誠医学院の生物化学学部の教授で、ウイルス学者の金冬雁氏の分析を引用し、これまでに発表された数字は「おそらく氷山の一角に過ぎない」と報じた。
市最大の老人ホームでは、ここ数週間で少なくとも20人が死亡し、入所者のうち約100人がPCR検査で陽性だった。一部の中国メディアは、ほかの老人ホームでの集団感染や死亡状況を報道したが、記事はすぐに削除された。
上海市のある高齢者医療施設で、少なくとも27人が中共ウイルス感染が直接の原因で死亡したが、その死因は他の基礎疾患として分類されたという。
(翻訳編集・叶子静)
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