インド政府は今月20日以降、中国人に発行した観光ビザを無効にしたことがわかった。中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大を理由にインド人留学生の入国を認めない中国への報復措置とみられる。
国際航空運送協会(IATA)は20日付の加盟航空会社宛の情報で「中国の国民に発行された観光ビザは無効となった」と発表した。いっぽう、ビジネスや外交などのビザは通常通り発給しているという。
中共ウイルス感染拡大以降、中国側に入国拒否されたインド人留学生の数は2万2000人以上にのぼる。インド外務省のアリンダム・バグチ報道官は先月、中国外務省は留学生を中国に入国させる方法を探っていると発言したが「具体的な対応は何もない」と指摘した。
いっぽうで、中国は広域経済圏構想「一帯一路」のもとで莫大な債務を負ったスリランカの一部の留学生には入国を許可しており、インドのジャイシャンカル外相は「非差別的なアプローチ」を取るよう呼びかけている。
ジャイシャンカル氏は、留学生の入国問題を関連当局と話し合うことを中国の王毅外相と約束したという。しかし、中国側はインド人留学生の中国入国計画について明らかにしていない。
インド北部ラダック地方にある中国との係争地域で中印両軍が衝突して以降、にらみ合いが続いている。こうしたなか、インド政府は国家安全保障の懸念があるとして「TikTok」を含む中国製のアプリの使用禁止令を相次いで発表した。
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