15日で沖縄の本土復帰50年を迎える。玉城デニー県知事は13日の記者会見で、普天間基地の県外移転・国外移転を検討すべきだと主張した。いっぽう、岸防衛相は同日、日本の安全保障における沖縄の重要性を改めて強調、「米軍の駐留は日米同盟の抑止の重要な要素」であるとして、負担軽減を図りながらも抑止維持を続けるとの考えを示した。
会見で玉城氏は、日米両政府は、辺野古が唯一の解決策という固定観念にとらわれず、普天間基地にある機能の県外、国外移設を検討すべきところに来ていると述べた。そして、辺野古移設断念を政府に要求した。
沖縄県が11日に発表した「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」のなかでも、基地の県外・国外移設を含め米軍規模の削減を要求している。玉城氏は岸田文雄首相に建議書を手渡し、「沖縄を平和な島とする目標は50年経過した現在も未だ達成されていない」として、米軍普天間飛行場の辺野古移設断念や日米地位協定の改定を求めた。
玉木氏が署名する建議書には「平和的な外交・対話により緊張緩和と信頼醸成を図ることで同地域の平和の構築に寄与する」とある。具体的には、日米地位協定の抜本的な見直し、普天間飛行場の運用停止、辺野古新基地建設の停止などを指す。
いっぽう、岸氏は同日の記者会見で、南西諸島における防衛力の重要性を強調、日米同盟の抑止力を維持しながら、基地負担軽減に取り組む考えを示した。加えて、自衛隊が行っている離島の急患輸送や不発弾処理などの任務は、沖縄住民の安全確保や社会・経済発展に寄与していると述べた。
日本の安全保障環境が50年前と大きく変わり、中国による軍備拡張や北朝鮮の核・ミサイル開発によって「これまでにない速度で厳しさを増している」と指摘した。こうした状況のなか、政府は南西地域の防衛体制を強化するため、沖縄本島に加え、与那国、宮古、石垣島へ部隊を配備する。在日米軍とも連携し、抑止力を高める。
県の負担軽減について岸氏は、北部の訓練場の過半数の返還を実現したことや、「沖縄統合計画」に基づいて県の中南部の土地の返還が進んでいることを挙げた。返還された跡地は観光資源や、医療拠点、また幹線道路に活用されている。岸氏は、普天間基地飛行場の全面返還などについて「引き続き国を挙げて負担軽減に取り組み、結果を出してまいりたい」と述べた。
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