香港当局が民主派への締め付けを強めるなか、政治犯が1000人を超えたことが米NGO・香港民主委員会(HKDC)の調査で明らかになった。法の支配や司法の独立性は風前の灯となり「香港が権威主義に急速に陥っている」と懸念を表明した。
調査結果は、2019年の香港民主化デモ以前は一握りだった政治犯の数が現在は1014人に急増し、その半数以上が25歳未満だとした。香港国家安全維持法(国安法)違反などで1159人の裁判が進行中であるため、その数は大幅に増加する可能性がある。
さらに、過去3年間で香港ほど急速に人権状態が悪化した国はない述べ、権威主義体制を敷くベラルーシやキューバ、ミャンマーなどと肩を並べていると指摘した。
中国共産党の全国人民代表大会(全人代)で定めた国安法が施行して以降、香港の民主主義は消滅の危機にある。民主活動家らは国家政権転覆罪で起訴されたほか、不当な口座凍結により香港の活動家や独立系メディア、市民団体などが解散に追い込まれた。
HKDCの梁継平エグゼクティブ・ディレクターは米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し投獄された政治犯の判決を合計すると、その数字は772年にも及ぶと指摘。「2019年の民主化デモで代償を払っている多くの『兄弟』や活動家がいることを思い知らされる」と述べた。
HKDCは国家安全保障法指定裁判官および国家安全保障保護委員会の委員を制裁するほか、政治的に迫害された香港人のための人道回廊を確保するよう米政府に要求している。
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