香港出身の台湾移民「兵士に志願して、台湾を護りたい」 来たる総統選で初めて投票

2024/01/11 更新: 2024/01/11

今年1月13日は、中華民国(台湾)総統選挙の日である。

台湾の有権者のなかには、かつて香港で民主化運動を経験した香港出身者で、その後台湾に移民し、台湾の地で選挙権を得てから初めての投票日を迎える人たちがいる。

香港の劇的な変化を経験したNothing(ナッシング)さんも、その1人だ。

Nothingさんは「台湾は、中華圏で中国共産党に対抗できる最後の国だ」と述べて、今では中共に強権統治されている香港の出身者として、台湾人に対し「自由に投票できる権利を大切にしてほしい」と呼びかけている。

Nothingさん(33歳)は、米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、「(私は)香港での全てを手放した。もう香港には戻れない。今やりたいことは、台湾の兵役に志願することだ。兵士として戦場に赴くことになってもいい。私は台湾を護りたい」と語る。

自ら兵士になっても台湾を護りたいと、その決意と覚悟を述べたNothingさんは、台湾国民に対して、次のように訴える。

「今の香港は、実質的な投票権を失ってしまった。もし台湾が中共を信じてしまい、政治的に親中に傾けば、どうなるか。将来的には、香港と同じように、選択する権利と発言する機会を失うことになるだろう」

「台湾は、簡単に中国と平和交渉をしてはならない。中国の、武力による威嚇に屈してもいけない」

台湾に在住する20歳以上の香港出身者は、台湾の「定住許可証」を取得した後、戸籍登記を申請すれば台湾の身分証明証を取得できる。さらに、選挙区に4か月以上居住すると、台湾での選挙権を得ることができる。

Nothingさんは、台湾で選挙権を得て初めての選挙となる今回「私は、台湾公民の一人として投票する」と、自身の決意を述べている。

台湾移民署のデータによると、2019年から2022年末までの期間中、合計6031人の香港人が台湾の「定住許可証」を取得している。

また、台湾の戸籍管理部門の統計によると、香港における一連の民主化デモ以降、香港やマカオから台湾に移って戸籍登記を行った人数は、年間で千人を超えている。2022年では、1180人が台湾へ帰化している。

 

(米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカの取材に応じるNothingさん。VOAのツイッターより)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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