中国海軍初の女性駆逐艦長にミスコン受賞者 物議醸す

2022/05/31 更新: 2022/05/31

中国海軍初の女性艦長としてメディアに大きく取り上げられた、ミサイル駆逐艦「紹興」の韋慧暁(45)艦長の経歴は物議を醸した。ミスコン出場経験をもつ同氏は、軍隊に入隊してわずか10年で異例の昇進を果たした。

中国メディアによると、広西チワン族自治区出身の韋氏は2000年に南京大学の大気科学部を卒業。2000~04年まで、ファーウェイの副総裁秘書として勤務。04~12年までは中山大学の地球科学部および工学学院で修士号と博士号を取得。04年にミス・インターナショナル中国大会に出場した。

12年1月、同氏は入隊を志願し、200ページに及ぶ自薦状を海軍当局に提出した。その3日後に入隊は許可された。海軍学校を経て、中国空母「遼寧」の副航海長、鞍山級駆逐艦「長春」の見習い副艦長などを歴任した。

17年3月、韋氏は052C型ミサイル駆逐艦「鄭州」の見習い艦長に昇進し、中国共産党第19回党大会にも出席した。22年4月に「紹興」の艦長に就任。

「紹興」は19年12月末に進水し、今年2月に正式航行が始まった。

台湾シンクタンク、国防安全研究院の蘇紫雲氏は米ラジオ・フリー・アジア(RFA)に対し、米海軍の原子力空母「エイブラハム・リンカーン」の女性艦長であるエイミー・バウアーンシュミット(Amy Bauernschmidt)大佐を引き合いに出し、「一般的には、軍で20年以上の経験がないと駆逐艦の艦長になれない。韋氏は入隊してから10年しか経ていないので、異例の昇進と言える」と指摘した。

蘇氏は、経験不足の韋氏を起用したのはプロパガンダのためだとの見方を示した。

中国メディアは、初の女性艦長として韋氏を大々的に取り上げている。同氏は複数のインタビューで、「企業から年俸100万元(約1910万円)のオファーを受けたが、まったく興味はなかった」「軍人であることを大変光栄に思っている」と話した。

広東省の共産主義青年団(共青団)はSNS微博(ウェイボー)上で、韋氏について「人生の履歴書が凄すぎて、ドラマも顔負けするだろう」と持ち上げた。

微博では、韋氏の父親と祖父も中国軍の高級幹部であるとの情報が流れ、同氏はコネを使って「スピード出世した」と批判された。

中国トップクラスの清華大学で修士号を取得中と称する微博のユーザーは、「美人コンテスト出場者が艦隊を指揮するなんて、艦隊が全滅して国も壊滅する」と怒りをあらわにした。

IPアドレスが「台湾」と表示されたユーザーは、「対岸(中国)がこのレベルにとどまっているのを見て安心した」とした。

いっぽう、「コネで艦長になれたのは彼女の能力ではないか」「韋氏への女性差別言論は未曾有のものだ」と擁護のコメントも多く寄せられた。

台湾メディア「中央社」によれば、「紹興」は江蘇省、浙江省、上海など6つの省・市をカバーする中国海軍東部戦区の管轄下にある。同戦区の戦略ターゲットは第1列島線にある日本本島、沖縄諸島、台湾である。
 

張哲
張哲
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