現在公開中の映画『トップガン マーヴェリック』では、米俳優トム・クルーズ演じる主人公が着用するジャケットに日本と台湾の国旗が戻った。
同映画はトム・クルーズの出世作『トップガン』36年ぶりの続編となる。オリジナル版『トップガン』では、主人公マーヴェリックが着用するたくさんのワッペンの付いたジャケットに日本と台湾の国旗があったが、2019年に公開した続編の予告編では色や模様の似たような旗に変わった。
中国IT大手のテンセント(騰訊)が出資したことが原因だとの憶測が出ていた。そのため、ハリウッドは「中国の政治的要求に屈したのではないか」と批判を受けた。同映画は中国のハリウッドへの浸透工作の成功例と見なされている。
しかし、5月27日に公開された続編では、主人公が身につけたジャケットに日本と台湾の国旗が映っている。
台湾国営の「中央通訊社」によると、これに気づいた台湾の観客は大歓声を上げていたという。
いっぽう、テンセント(騰訊)が出資を撤退したと報じられた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、米軍を称えるこの映画は、「中国当局を怒らせかねない」と同社幹部が懸念したためだという。
米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」のイアン・イーストン(Ian Easton)研究員はツイッターで、「『トップガン マーヴェリック』はようやく中国政府とのしがらみから脱却し、己の魂を取り戻すことができた」と製作陣の対応を評価した。
「中国に投資した結果、自分たちの価値観や理念を犠牲にし、変わってしまった米映画は、ほかにどれほどあるだろうか」とイーストン氏は付け加えた。
同映画は中国とロシアで上映する予定はないが、封切り3日間で、全世界興行収入(興収)が3億ドル(約375億円)に達し、北米ではトム主演作史上最高のオープニング興行収入を記録した。
ディズニー傘下のマーベル・スタジオ制作の映画『ドクター・ストレンジ』の最新作も、大紀元の新聞ボックスが映り込んだため中国で公開されない可能性が高い。
ディズニー最高経営責任者(CEO)のボブ・チャペック氏は先月の決算説明会で、「中国市場なしでも問題ない」と話した。
5月6日に全米公開された同映画は、10日までの全米興行収入が2億1360万ドル、全世界興行収入は5億780万ドルに達するなど、興行的に大成功を収めた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。