亡命を求める中国国民の数が増加 2012年以降は約73万人=国連報告

2022/07/12 更新: 2022/07/12

国連難民機関UNHCRの最近の報告によると、近年、海外への政治亡命を求める中国国民の数が急増している。 習近平氏が国会主席に就任した2012年には約12,000人の中国国民が海外に亡命したが、2021年にはその数は12万人近くにまで急増した。 

人権団体のセーフガード・ディフェンダーズはそのウェブサイトで報告している。「2020年、そして最近発表された2021年の数字は、新型コロナウイルスによる制限にもかかわらず、亡命希望者が増え続けていることを示している」 

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が2022年6月中旬に報告したところによると、2012年以降、約73万人の中国国民が亡命を求めており、17万人以上が難民として中国国外に居住している。 

「亡命申請は他の選択肢がほとんどない人々が取る必死の行動だ。これは、帰化、労働ビザ、または不動産購入を通じて、米国、オーストラリア、およびその他の国々に移住してきた中国人には当てはまらない」とセーフガード・ディフェンダーズは述べている。 

UNHCRのデータによると、2021年に中国本土から88,722人の申請者を受け入れた米国は依然として最も人気のある国だ。オーストラリアは15,774人の亡命希望者を受け入れている。 また、数千人がブラジル、カナダ、韓国、イギリスに亡命を求めた。 

国外に逃亡する中国人が増加する中、非自発的な帰国を含む国際弾圧のリスクが高まっているとセーフガード・ディフェンダーズは警告している。 

非政府組織セーフガード・ディフェンダーズの研究者の陳靖捷氏は、このデータには習近平国家主席のゼロコロナ政策の影響も反映されていると述べた。

ゼロコロナ政策は、過酷なロックダウンと、疾病管理と予防という名目の下で人々の移動に対する厳しい制限につながっている。 

陳氏は「これらデータの基となった過去数年間、中国は基本的にロックダウン状態にあり、亡命希望者が海外に行くことは非常に困難になっている」とした上で、「それでも、過去3年間亡命希望者の数は毎年増加しており、その数は新たな高水準に達している」と述べている。 

この数字には香港は含まれていない。香港では、2020年7月に中国が施行した国家安全法により、中国政府に反対する世論や平和的な政治的反対派に対する弾圧が続いている。 陳氏は、海外留学ビザや投資ビザ、居住証明書を通じて中国からの移住を選択する人が増えていると述べた。 

世界ウイグル会議の広報担当ディルクサット・ラクシット氏は、亡命者の多くが中国北西部の新疆地方の集中収容所や技術的全体主義の網から逃れてきたウイグル人だと述べた。

しかし、脱出した者でさえも安全とは言えないかもしれない。同氏は「亡命中のウイグル人は常に中国からの圧力を受け、居住国内で拘束され、強制送還させられる危険性がある」と述べている。 

中国共産党のキツネ狩り作戦は中国国民を強制的に帰国させようとするものだ、と陳氏は述べている。 「習近平は国家主席就任とともに、反体制派を世界的に弾圧するための「キツネ狩り」計画をもたらした。 

「移民の在留資格しか持っていない場合、国によっては保護を受けられない可能性がある」と同氏は述べた。「亡命や難民申請は、より多くの保護を受けられる場合がある」 中国共産党の法執行機関は、中国国境をはるかに超えたスカイネット監視プログラムの下で、国外逃亡した人々(その多くはテュルク語を話すウイグル人)の追跡、嫌がらせ、脅迫、強制送還を日常的に行っている。 

また、中国は従順な国を利用して刑事裁判の手続きを回避する場合もある。 2021年のセーフガード・ディフェンダーズの報告書によると、中国は海外のネットワークを利用して、ウイグル人などの民族の他にも、政治反体制派、人権活動家、ジャーナリスト、元政府関係者をターゲットにしている。

 報告書によると、2014年にスカイネットが開始されてから2021年6月までの間に、中国は120の国と地域から約1万人を本国へ送還した。司法手続きを利用して中国に送還されたのはわずか1%で、60%以上は自らの意志に反して強制的に飛行機に搭乗させられている。 

Indo-Pacific Defence Forum
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