上海など28大中都市の住宅空き家率は12%=調査

2022/08/12 更新: 2022/08/12

中国の住宅市場調査機構、貝殻研究院の最新調査では、中国の28の大中都市の住宅空き家率は平均で12%に達しており、5〜10%という正常水準を上回り、過剰供給であることがわかった。

なかでも、江西省南昌市が20%で最も高い。河北省廊坊市の空き家率は19%と2番目に高い。

貝殻研究院は、販売された住宅物件を対象に調査を行い、3カ月以上にわたり人が住んでいない住宅を「空き家」と定義する。江西省南昌市で販売された住宅物件のうち、約2割が使われていない状態にある。

大都市の上海市や北京市、深セン市の空き家率は7%を下回った。西安市、鄭州市、昆明市など中型都市の空家率は10~15%の間で推移している。南昌市と廊坊市のほかに、広東省佛山市の空き家率も15%を上回った。

貝殻研究院は、空室率が5~10%の間であれば「合理的」で、住宅需要が高いことを反映するとした。10%以上の場合は住宅の過剰供給を意味すると指摘した。同研究院は、空室率が10%以上に達した都市では住宅在庫リスクが高まっていると警告した。

同研究院は、統計の対象が販売済の住宅であるため、他の統計と比べて、空き家率がやや低めであるとした。

中国では「広義空き家率」と「狭義空き家率」がある。広義空き家率の場合、ある時点で人が住んでいない家も空き家とする。リフォーム中の家、老朽化して危険な状態にある居住不可能な家などはすべて空き家として扱う。このため、空き家率は過大評価される傾向がある。

いっぽう、狭義空き家率の場合は、リフォーム中の家と倒壊しそうな家を除く空き家を統計の対象にしている。

貝殻研究院は、空き家率は都市部の高齢化問題に関係するとした。四川省重慶市の65歳以上の人口は、市の全人口の17%を占める。同市の空き家率は17%。しかし、深セン市の65歳以上の人口は全体の3.2%で、同市の空き家率は5.3%にとどまる。また住宅価格と住宅ローンの金利が高く、複数の住宅を購入するためのコストがかかる都市では、空き家率が低下する傾向にある。

張哲
張哲
関連特集: 中国