ソロモン諸島、外国海軍艦艇の入港を一時停止 新プロセス採用まで

2022/08/30 更新: 2022/08/30

[シドニー 30日 ロイター] – ソロモン諸島の首相府は30日、排他的経済水域の管理を強化するため、新しい承認プロセスを採用するまで外国海軍艦艇の入港を一時停止したと発表した。

米沿岸警備隊のオリバー・ヘンリー号などは先週、ソロモン諸島政府が要請に応じなかったため寄港できなくなっていた。

ソロモン諸島のソガバレ首相は声明で「新しいプロセスを検討、実施する時間を与えるようパートナーに要請した」と説明。ロイターに宛てた文書では「これは全ての海軍艦艇に適用される」とした。

首相は、ソロモン諸島は「外交的な許可を得ずに外国の海軍艦艇がソロモン諸島の海域に侵入する不幸な経験」をしたことがあると指摘。その国名に触れなかった。

これに先立ち、在キャンベラの米国大使館は、ソロモン諸島政府が米海軍艦艇の入港を禁止すると米国側に伝えたことを明らかにしていた。

ソロモン諸島は4月に中国と安全保障協定を結んで以降、米国や同盟国との関係が緊迫している。

ソガバレ首相の報道官によると、首相は30日午後の演説では米海軍の病院船「マーシー」が29日に首都ホニアラに到着したことを歓迎する。

米大使館はマーシーが入港禁止前に到着したとし、引き続き状況を監視すると述べた。

米沿岸警備隊は先週、南太平洋違法漁業の監視に当たっていたオリバー・ヘンリーがソロモン諸島政府に給油のための寄港を求めたものの返答がなく入港できなかったと明らかにした。

米国務省の報道官は29日、「オリバー・ヘンリーの寄港許可が下りなかったことは遺憾だ」とする一方、マーシーが許可を得たことを喜んでいると語った。

マーシーの人道的ミッションにはオーストラリアと日本からの人員も参加しており、地域の保健支援活動、エンジニアリングプロジェクト、災害救助に関する協議が含まれている。

Reuters
関連特集: オセアニア