ソロモン諸島首相への不信任案が可決 中国共産党に接近路線に国内反発

2026/05/07 更新: 2026/05/07

南太平洋の戦略的要衝であるソロモン諸島の議会で7日、ジェレマイア・マネレ首相に対する不信任決議案が採決され可決された。2019年の親中転換以降、ソガバレ前政権からマネレ政権へと継承されてきた親中外交は、国内の政治不信とガバナンスへの批判を背景に、事実上の終止符を打たれた形となった。

マネレ氏は3月中旬、閣僚10人が一斉に辞任して以降、議会が開催されていなかった。高等裁判所(High Court)は議会開催を命じた。今回の議会開催は、この裁判所命令を受けたものである。

採決に先立つ討論で、マネレ氏は司法の介入を「危険な前例」と批判した。一方、野党側はこれを「独裁的な権力維持だ」と強く反発した。最終的には与党内からの離反者が決定打となり、政権は崩壊した。

今回の不信任案可決は、国内の権力争いにとどまらず、2019年の台湾断交から続く急進的な中国接近への不満が背景にあるとみられる。前ソガバレ政権下で2022年に署名された中国との安全保障協定は、その不透明さから「主権の売り渡し」と批判されてきた。

マネレ氏は2024年に首相に就任した。前政権では外相として対中国交樹立を主導した人物であり、中国共産党政府にとっては「最も信頼できる代理人」と位置づけられていた。中国から巨額のインフラ支援が流入する一方、国内の医療不足や物価高は改善されず、政権内部の汚職疑惑が閣僚離反を招いたとされる。

パシフィック・メディア・ネットワークによると、不信任案を主導した野党連合「New Coalition」は、マネレ政権が中国に過度に依存したことで、オーストラリア、アメリカ、日本といった伝統的なパートナーとの関係を損なったと主張している。

今後選出される新首相の下では、中国との安全保障協定の見直しや透明化、西側諸国とのバランス外交の再構築、「一帯一路」関連予算の使途をめぐる監査が焦点となる。

マネレ氏の失脚は、中国が資金力とトップダウン型の交渉で築いてきたソロモン諸島における影響力が、議会と司法のプロセスによって揺らいだことを示す。南太平洋における中国共産党の橋頭堡は、かつてない政治的危機に直面している。