中国共産党のナンバー3、栗戦書・全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員長は7~10日の日程でロシアを訪問した。ツイッター上に投稿されたロシア連邦議会下院の「国家院テレビ(осдума TV)」の映像によると、栗氏はロシアのウクライナ侵攻について「理解し支持する」と発言している。
映像には、栗氏がビャチェスラフ・ボロージン下院議長と会談した際の様子が映っている。
栗氏はボロージン下院議長に対し、ウクライナ問題を巡って、米国と北大西洋条約機構(NATO)がロシアを「窮地に追い込んだ」と話し、「ロシアの国家安全保障と国民の命の安全にかかわり、ロシアが取るべきだと考える措置について、中国は理解し、他方面から(ロシアに)連携していく」と約束した。
中国最高指導部メンバーの中で、公の場でロシアのウクライナ侵攻に支持を示したのは栗氏が初めてだ。同氏は習近平国家主席の側近中の側近である。
いっぽう、栗氏のロシア訪問終了後、中国国営新華社は、中露協力関係をさらに強化し、西側諸国によるロシアへの経済制裁を巡り非難するなど、栗氏の発言を報じたが、同氏のウクライナ問題に関するコメントには触れなかった。
これに対して、ロシア連邦下院が公表した声明では、会談での栗氏の発言を引用し、「ロシアの国益に関わる問題、特にウクライナ情勢について、中国はロシアを理解し支持している」と示した。
習近平国家主席とプーチン大統領は15日にウズベキスタンで開催される上海協力機構(SCO)首脳会議に出席する予定。その間、中露首脳会談も行う見通しだ。
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